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2004.12.14

難しいのは百も承知で

かかりつけの眼科へは2~3ヶ月に一度受診する。 特別なことがなければ5種類の検査を受けて、点眼薬を処方してもらう。 伊豆に来てからかかり始めた眼科とも、もう十年のお付き合いになってしまったので、相手もこちらもすっかり顔なじみだ。

年末で忙しくなる前に受診を済ませておこうと思って出かけた日は、たまたま待合室が混んでごった返していた。 日を改めようかと思い、受付に「今日は混んでますね」と挨拶すると、「大丈夫。 ほら、おじいちゃん・おばあちゃんを連れてきた家族が一緒に待っているだけで、受診する人は多くないから、そんなには待たないわよ。」とのこと。 なるほどよく見ると、お年寄りと付き添いの家族がセットになっている。

30分足らずで診察室に呼ばれ、他の患者の診察で暗室に移動する途中の医師に「変わりない?」と話し掛けられ、指でオーケーのサイン。 笑顔で頷いて暗室に入った医師を横目に、こちらは視力チェックが始まる。 途中で若い看護師さんが「ふふふ」と笑い出したので、何かと思ったら、「こんなにシャキシャキ進んでこっちまで楽しくなっちゃう。」と言う。 「朝からほとんどお年寄り相手だったから、反応が遅くて。 視力検査ひとつでも10分もかかったりするんですよ。 そのテンポに慣れていたから、こんな風にすぐ答えが戻ってくると新鮮!」 聞いていた他の看護師さんも笑っている。 「暗室に移動して戻ってくるだけで、また10分だもんね。」 「質問と違う答えが返ってくるしね。」 「そうそう、世間話が始まっちゃって先生も一苦労。」 医師までが「あなたみたいな患者が多ければ、もっと効率良く診察を進められるんだけどね。」と、苦笑していた。 よっぽどその日はお年寄りが続いていたのだろう。 スタッフの苦労が目に浮かぶようだ。

誰でも年を取って、反応が鈍くなり、体を動かすのも遅くなり、心の視野も狭くなる。 いつかは自分もその中のひとりだ。 そんな人の割合が高ければ高いほど、やはり社会や経済の効率は悪くなる。 生産性も下がるし、利益率も下がる。 高齢化社会の一端を見せ付けられたような気がして、ちょっと溜め息が出た。

ときどき自分は何をすべきかと考えて、頭を抱えることがある。

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