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2005.01.20

これも立派な現実

風は冷たいが陽射しが強かったので、久し振りに近所を一時間ほど歩いてきた。 近所と言ってもこの辺りでは山と雑木林の林間コースだ。 グランドの周囲がトレッキングコースとしてそこそこ整備されているので、そこを歩いてくることが多い。

外の空気を楽しみながらのんびりと進むと、あちこちから小鳥が驚いて飛び去ってゆく。 お邪魔して申し訳ないような気持ちになりながら行くと、遠くの先に一台の軽トラックが見えた。 乾いたチェンソーの音が響いている。 近づいてゆくと見慣れた顔だ。 国道のそばに住むおじいさん。 ずっと林業で暮らしを立ててきたと聞く。 みんな愛情を込めて「きこりのシゲちゃん」と呼んでいる。 「よう、なんだい、運動かい?」 「そうなんです。 少し歩かないとね。」 「そうだよ、たまにゃ歩かないとなまっちまうよ。」

しばらく行くと、また遠くから軽トラックがゆっくりとした速度で近付いてくる。 路肩によけて見送ると、荷台には大き目のケージがいくつも並んでいる。 猟犬が乗っているのだ。 これは猟師さんの車。 今は丁度狩りのシーズンで野生の猪や鹿がハンティングされる。 山から狩りを終えて戻ってきたのだろう。

長くて急な山の上り坂を進むとガサガサと大きな音がして、何かが急斜面を駆け下りてゆく。 大きな茶色いお尻が辛うじて確認できた。 鹿だ。 ハンターから逃れてホッとしているのだろうか。 それに驚いてたくさんの鳥がピーピー鳴きながら飛び立ってゆく。

ここでは歩いていても、普通の人に会うことは滅多にない。 林業の方、猟をする方、シイタケを栽培している方・・会ってもそんな方々ばかりだ。 街に暮らす人たちには想像できないことだろう。 もちろんお店なんて無い。

主人公がひとりで山に入ってゆくと、きこりに出会い、続いて猟師に出会い、そして鹿に会う・・これってまるでアンデルセンの童話か、ロールプレイングゲームのシナリオみたいだな、と、気がついて、可笑しくなってしまった。

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