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2005.02.01

ふきのとう1号

昨夜からぴゅーぴゅー音をたてて、冷たい風が吹き荒れていた。 身震いしながら布団から出て、雨戸を開けカーテンを束ねていた時、視界の隅っこに薄緑色のまとまりを見つけた。 枯葉が残る地面の上にホワホワと何かが顔を出している。 「こんな寒い時期に生えてくるものなんてあったかなぁ?」、まだ寝ぼけた頭でぼんやり考えてから、はっとした。 「もしや、あれは・・!」 サンダルを突っ掛けて風の中を確かめに行くと、やっぱりそうだった。 ふきのとう。 一面に茶色の土の上で、黄緑色に白絵の具を混ぜたような淡い緑色が、鮮やかに目立っている。 ガサガサと枯葉をどけると、ひとかたまりになっているふきのとうが姿を現した。 まだ頭の先も開いていない、すっぽりと閉じたままの丸いふきのとう。 このまんまパックに詰めたら、売り物に出来そうなきれいな形だ。

早速午後から小さなボールとフルーツナイフを持って、地面にしゃがみこんで、収穫開始。 目が慣れてきたら、あちらこちらに顔を出しているのを発見し、数えてみたら11個にもなっていた。 数個だったら「蕗味噌」にして、豆腐田楽にしようと目論んでいたのだが、こんなに豊作ではちゃんと「てんぷら」でも作ってあげないと申し訳ないような気分になり、揚げ油を熱しだす。 薄い衣の向こうに、淡い緑色が見え隠れして、なんとも上品な春の揚げ物が出来上がった。

塩だけぱらっと振りかけて、夕飯の賄いに。 まだ顔を出したばかりのせいか、苦味も薄く、穏やかな緑の味と香りで、食卓に一足早い春を運び込んでくれた。

ちゃんと立春にあわせて顔を出してくれたところなんぞ、なんともオツなもんだな、などと心の中でつぶやきながら、暖かい次の季節を待ち遠しく思った。

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» ふきのとう [収集趣味人の繰言・戯言・迷い言]
ふきのとうが食べ頃になったので採取しました。 これはお別れの記念写真です。 この [続きを読む]

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