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2005.02.04

豆まきの思い出

豆まきといえば、自宅でやるこじんまりしたパターンと、神社で年男・年女、時には有名人を招いて壇上から豆をまいてもらい、参拝客がこぞって拾うパターンがある。

社会人になって間もない頃、同期のメンバー数人で鎌倉に小旅行に出かけた。 手に入れた地図を片手に散策しながら寺院を巡り、庭を見たり、あんみつを食べたりして楽しんだ。 さて、宿にチェックインする前、最後に寄った小さなお寺では人がたくさん集まっていた。 お寺の規模からしても不自然なほどの集まり様で、しかも警備員までいる。 何があるのかと思って尋ねてみると、あと15分ほどで豆まきが始まるらしい。
「どうする?」
「あんまり興味は無いよね。」
「そうだね。」
「でもせっかくだし、見ていっても良いかも。」
「急ぎ旅でもないしね。」
「じゃあ、見てから行こう。」
傍観者の気持ちで、集まった人の輪の一番外から、ぼんやり光景を眺めていた。

やがて、裃のようなものを着た数名の年男たちが現れ、誰かわからないが力士まで登場、そしてやたらにきれいな目立つ若い女性・・隣のオバサンの話が聞くとも無く聞こえ、どうやら宝塚の有名な女優さんらしい。 みんな手に大きな枡を抱えている。 「なんだか凄い事になってきちゃったじゃん!」、私達は顔を見合わせた。 周囲の歓声がうるさくて、会話どころではない。 顔を見合わせた次の瞬間、歓声がなお一層大きくなり、頭の上から何かがバラバラと落ちてきた。 そう、ついに豆まきが始まったのだ。 何がなんだか圧倒されつつも、いつの間にか私たちも必死に豆をめがけて手を伸ばしている。 ワーワー、キャーキャー、体育祭の騎馬戦のようだ。

あっという間に豆まきは終わり、壇上の力士や女優さんが手を振りながらどこかへ見えなくなった。 ふと気付くと、隣にいた仲間がいない。 きょろきょろ見渡すと、みんなバラバラな場所に散らばっている。 それぞれいつの間にか豆に必死で、離れてしまっていたらしい。 「いやあ、こんなはずじゃなかったのにね。」 みんなで笑った。

豆は一辺3センチくらいの4面体に薄い和紙で包まれていて、ひとつに15粒くらい入っていたと思う。 中には新品の5円玉が一緒に入っていたり、コンペイトウが包まれているものもあって、宿でみんなで分けて食べた。

ひとりスエードのローヒールのパンプスを履いていた仲間がいたのだが、神社の境内に敷き詰められた砂利の上で、人と押し合い圧し合いしている内に、ヒールが捲れあがってしまい、翌朝ボロボロになっているのが発見された。 「あなた、そんなに必死で豆拾いしてたの?!」なんて冷やかしながら、帰りがけ鎌倉の駅近くの靴屋で新しい靴を皆で見立てて、割り勘にしてプレゼントした。 その場で履き替えて帰りの電車に乗ったのも楽しい思い出だ。 

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