奥ゆかしい感じも好き
本来メモリアのウェブは、宿泊客の方々の為に存在すべきものなので、アクセス解析ソフトが乗せられている。 お客様方が何の目的で、どこのサイトからメモリアを見つけて来訪し、どこのページをどのように見ていったのかを分析して、よりニーズに見合ったサイトにするための参考資料にするからだ。 (もうご承知の通り、この論理でゆくと「リーボーですよ!」は完全に目的外使用である。 が、マニアックな来訪者の一部には好評なので?こうしてサーバーのスペースを分けてもらっているのが現状だ。 まあ肩身の狭い思いもせずに済んでいるが、大きな顔も出来ない。)
アクセス解析の結果は気になるので、結構頻繁に読んでいる。 数は少ないがIPアドレスから個人を特定できる方もあって、もちろん、個人情報の管理には相当気を遣っているが、懐かしい人が読みに来てくれた足跡を見つけると、なんとも言い尽くせない気持ちになる。 それが昔からの友人であったりすれば、なおさらのことだ。
もうそれぞれに家庭を持ち、仕事も忙しくしているのだし、ましてや私は伊豆に住んでいるので、多くの懐かしい友人からは地理的にも離れた存在だ。 何となく照れくさいような気持ちも相まって、年に数回の手紙やメールのやり取りはあるものの、それさえも遠慮しがちになる。 ふとしたことで思い出して、会いたいな、とか、話したいな、とか、思っても、すぐには実行できない理由を互いに抱えているのが現実だろう。 うまくことが進んでも数年に一度会うのが精一杯。
別に、ウェブを見に来てくれたからといって、メッセージや書き込みを残すでもなく、黙って去ってゆく。 こちらがアクセス解析を見なかったら、来てくれていたことさえも判らない。 それでいいのだと思う。 相手を思い出させる「足跡」の奥ゆかしさが、何となくちょうど良い距離のような気がする。 お互いの邪魔にならない程度に、でも、時々思い出して、相手も忘れずにいてくれることを間接的に知る。 夢で会うのと似たようなものかもしれない。
アクセス解析に特定のIPアドレスを見つけると、私の心の奥で、小さな灯火がポッと灯る。 ちょうど冬の冷たい風の中で、梅の老木に小さな白い花がひとつ開いたのを見つけた時のように。
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