優しい雨
八百屋さんの店先で小カブが目立っていた。 白いカブはぴかぴかに白く、葉っぱはふさふさに鮮やかな若葉色。 そのコントラストがきれいで、なんだかうっとりするような光景だった。 半分屋根の外にはみ出して重ねられている所へ、折りしも春の柔らかい雨が当たって露のように光っている。 時として、食材は美術の素材に見えることがあるから不思議だ。
何気ない日常の光景。 普段とさほど変わらない生活の中で、ふと立ち止まる時間。
「恵みの雨」という言葉を思い出していた。
春はいろいろなものが、なんとなく優しい。 光も雨も風も匂いも色も。
私もあやかって優しくいよう。 優しく穏やかな言葉を使おう。 優しい声で話そう。
そして、優しい人を思い出そう。
春だ。 優しい夢を見よう。
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