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2005.03.31

先のこと

自分はどのくらい先の約束まで、責任を取れるものだろうか。

極端な言い方をすれば人は誰でも「一寸先は闇」なのだから、数分後のことだって保証の限りではない。 多分大丈夫だろうとか、きっと変わりないはずだとか、その程度のものだろう。 それでも大抵はいつも通りに翌朝が来て、いつも通りに時は進む。 そのような状態に慣れているから、実はそれは大それたことだなどとも考えたりしていない。

メモリアの宿泊予約は3カ月前からの受付になっている。 これは3カ月先までにおいては、とりあえず宿として業を成すことをお客様に保証することになる。 お客様の立場からしても、そのくらい先までなら何とか状況が読めるかな、という、お互いの立場でぎりぎりの保障期間なのではないだろうか。 社会の仕事のシステムが変化し、「忙しい人は馬車馬のように働き、仕事にあぶれた人は時間があってもお金が無い」現状においては、旅行にお金を使える「普段忙しい人」は仕事に追われて休日の予定が立てられないと見えて、宿泊予約もどんどん期日直前になってきている傾向が目立つ。 つまり、保証できる期間がどんどん短くなってきているのだ。 「もしかしたら、今度の週末は休めるかも知れない」と、水曜日ごろに考える・・その程度がやっとのことというのが現実に違いない。

父の入院した病院に面会を兼ねて必要なものを届けに行ったら、ロビーでとある病人のご家族と病院のスタッフが相談をしていた。 入院期間が3カ月を過ぎたら、別の病院への転送を考えてもらう必要が出てくるので、今のうちからそのことを考えておいてください、ということらしい。 家族は「病人がこの3カ月の間に、どの程度回復しどのような病状に変化しているのか予想もできないので、新しい病院はまだ選ぶことを考えられない」と、スタッフに半分抗議していた。 聞くともなく聞こえてしまったのだが、ごもっともな話だと思う。 と同時に、そのくらい猶予を持って手配をしておかなければならない「地域のベッド数の不足を背景に抱えた病院事情」も手に取るようにわかって、ウーン・・と考えてしまった。

いつものように明日が来て、いつものように暮らし、先の心配を抱えないで過ごせる・・そんな「なんでもない当たり前の事」は、実はものすごく幸せなことなのかも知れない。

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