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2005.05.06

レイコさん

もう一段階行動範囲を広げても良いと、整形外科の医者のお墨付きをもらえたので、受診の帰りに早速義父の入院しているリハビリテーション専門病院へ、足を伸ばした。 義父はちょうど作業療法へ行くところ。 こちらは洗濯物の引き取りなどがあったので、とりあえず車椅子を見送って、病室での片づけを終えてから作業療法室を覗きに行った。

10人ほどの患者さんが、それぞれに合った訓練を受けている。 パズルのようなものをやっている人、積み木を正確に重ねていく人、パソコンの画面と向き合っている人、スプーンで右から左のふたつのお茶碗にピンポン球を移動している人。 義父はぎりぎり届くくらいの高い位置にある輪投げの柱に、ワッカを通すのに一生懸命だ。 いろいろな素材があるんだな・・などと感心しながら、部屋の片隅で見学させてもらっていたら、奥にいた白髪のおばあさんが、作業の手を止めて私にニコニコしているのに気付いた。

付き添っていた療法士さんが、おばあさんの視線を追いかけてから「あの方は、患者さんのご家族ですよ。」と、説明すると、そのおばあさんは、私に微笑んだまま大きな声ではっきりと、「いえ、あの人はレイコさんよ。」と言う。 「・・??」 レイコさんって誰だ?

病気による認知障害が、私をレイコさんに仕立て上げたのか、はたまた、レイコさんに似ていたのかは疑問だが、訓練の邪魔になってはいけないと思い、軽くおばあさんに会釈して、そそくさと作業療法室を後にした。

帰りの車の中で、深い意味も無く、本物のレイコさんに会ってみたいなと思った。

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