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2005.05.31

納得しかねるお茶

料理を作る者の端くれとして、「どうしても納得できない市販の食べ物」がいくつか存在する。 不味いとか調理方法がうんぬんではなくて、「食品として不自然」と思われる素材のことを指し、例えばミルキークイーン(米の品種の名前)出現以降のコンビニのお弁当のご飯・・確かに冷めてもベトつかないしポロポロになることもない代わりに、まったく米の味・香りを欠いている。 これは納得できない。 日本人としてこんなご飯を美味しいと感じてはいけない、などと、余計なことを思ってしまう。 それから、スライス済みの流通大手の食パン・・日が経ってもいつまでもフワフワで、カビすら生えてこない。 これも不自然過ぎる。 そして同様に納得できないのが、回転寿司で使われている日本茶のティーバックも・・あれは一体どうなっているのか、昔から相当疑問なのだ。

まず、湯呑みに入れっ放しにしておいてもオーバードリップ状態になった試しが無い。 つまり、濃いお茶にならない。 次に、そこそこの温度のお湯を直接注いでいるにもかかわらず、麦わら色に変色することも無く、いつまでもきれいな緑のお茶色なのも妙だ。 家であんな風にしたら苦味ばかりが強い、黄色いお茶になること請け合い。 しかもティーバックはお湯に漬かりっ放しだというのに。 そして、どんな風に焙煎された茶葉を使えば、あれほど香りや味の無いお茶っ葉が出来上がるのか?! 謎は深まるばかりである。 昔、お寿司屋さんのお茶といえば、粉茶を使う濃~いお茶が定番で、湯呑みの底が見えないような色で、苦味も香りも思いっきり濃縮したようなものと相場が決まっていたものだが、このご時世「いまどき真っ当な寿司屋」を選んで行かなくては、そんなお茶にも巡り逢えなくなってしまっている。 正に忌々しき事態だと、このオバサンは嘆きたい。

過日に沼津の整形外科に受診した折、数年ぶりに国道1号線沿いにある、有名な全国展開チェーンの回転寿司屋に入ってみた。 サービスと言い、バイトのオネーチャンと言い、なかなか突っ込みどころ満載で久しぶりに大笑いするほどのお店であったが、「そうそう、このお茶だよね・・」と、訝しく飲みながら、納得できないことを再確認する機会となった。 そのお茶をキャッシャー横で、自信満々にお持ち帰り用としてちゃっかり売っているところも、また笑えたのだった。

やっぱり、外食産業に携る人や会社は、もっと文化や安全や食育に係ることの責任を感じるべきだと思うのだが、どうも経済とかお金に目がいっているように見受けられて、なんだか悔しい思いがする。 その部分もまた「二極化」しているのかも知れない。 「真っ当な食品」に出会うためには、それなりの対価を求められているのだろう。 そのうちにお金を払っても美味しい物にめぐり合えないような世の中になってしまうのだろうか。 不安が募る。

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