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2005.06.14

知り合い その2

例えば誰かさんのことを「知り合い」という表現で紹介する時、そこには独特の距離感がある。 「友達」ほど親しくもなく、「仕事関係の人」ほど具体的でもない。 自分からは相手に踏み込んでゆかないけれど、顔と名前は一致していて挨拶や軽い立ち話くらいはする・・そんな距離だろうか。

5月の連休が終わった後で、珍しく友人から電話がかかってきた。 彼女は私が教育実習に行った先の生徒だった人で7歳も年下なのだが、なんだかんだと今でも交流が続いている。
「ねえ、ご主人に元カレだった人を説明する時に、どう言いますぅ?」
彼女が連休にディズニーシーに家族で出かけたら、ばったり昔付き合っていた人に遭遇してしまったらしい。 アトラクションに優先的に乗れるチケットを、家族に先回りして取りに来た元カレが、声を掛けて来たとのこと。 気を利かせた彼女のご主人が、子供ポップコーンを買いに連れ出してくれたので、少しの間立ち話をすることが出来たらしい。 家族の元に戻った彼女に、ご主人は当然「さっきの人、誰?」、と、尋ねた。 その瞬間に彼女はどう説明すべきか言葉に詰まってしまったらしいのだ。

「えっ? 元カレとか昔の彼氏とかって言えば良いんじゃない?」
「ストレートに言っちゃいます?」
「だって他に言い様がないじゃない。 それに今更その相手とどうこうってことも無いんだし・・。」
「主人が嫌な気持ちにならないかな?って考えちゃったんですよね。」
「現にご主人と結婚して子供もいるんだから、そのくらいの事は平気でしょ?」
「ウーン、そうだとは思うんですけど・・。」
「で、なんて説明したわけ?」
「『ちょっとしたお知り合い』って。」
「(笑)それ、余計に怪しくない??」
「そうかなぁ・・」
「だってそれじゃあ、何も具体的になってないじゃん。」
「言われてみれば、そうかも・・」
「私だったら余計に気になっちゃうよ、どこのどんなお知り合いかって。」
「確かに主人も訝しげな顔してたかも・・。」
結局そこでは子供が手に抱えていたポップコーンをこぼすアクシデントが発生し、ご主人による詳しい詮索は回避されたらしい。

元カレだって知り合いには違いないけれど、元カレの奥さんに自分のことを『知り合い』と紹介されたら、私だったらちょっと寂しい。 少なくとも当時は相手のことが好きで、付き合えるくらいに解りあえる仲だったのだから、単なる知り合いとして遠ざけられてしまうのは哀しいし、自分も相手を遠ざけてしまうのは勿体無いようにも思う。 その後の関係の持ちようによっては、かなりお互いのことを理解し合える友達になり得ると思うのだが。 これは単に私が都合が良いだけだろうか?

「お知り合いねぇ・・。」 彼女からの電話を切った後で、しばらく「知り合い」という言葉から受ける冷たい感じについて思いを巡らせていた。

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