夏の月
お風呂上りに窓辺から見上げたら、梢の隙間からぼんやりと丸い月が覗いていた。
ふと気付くと、月を見たのは久しぶりのことだ。
義父の病気、自分の膝の怪我、迎える夏休みのトップシーズン、実家の母の入院や手術・・小さなことに気を取られて、ゆっくりした気持ちで夜を迎えることが極端に少なかった。
別に急激な変化があるわけではないが、いつも心の中に重たい塊があって払拭されない。
・・そういう年回りなのだろう。
優しく穏やかな月を見上げながら、光を吸い込むような気持ちで大きく深呼吸してみた。
少しずつ、少しずつ、乱れた流れは納まるべき所へ、納まるべき形に。
夏の宵の月は、甘い香りがした。
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