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2005.07.12

他人のふんどし

毎年夏本番を前に恒例の「所轄保健所による立ち入り検査」が、無事終了した。 全国レベルで見ると他地域のペンション経営者の話によれば、ひどく細かなチェックが入る場合もあるようで、「ステンレスの扉に指紋が付いていたら怒られた」だの「蛇口からこぼれた水がシンクに残っていたら注意された」だの、そこだけ断片的に聞くと理不尽と思われるような話もあるらしい。 この地域の場合はそんな理不尽なことは今まで一度も無くて、冷蔵庫・冷凍庫の温度チェックや、手洗い場がちゃんと使われているかとか、サルモネラ菌を意識した卵の管理がなされているかなどといった現場に適したチェックがなされるので、こちらも納得しているしありがたい。

実は数ヶ月前にメモリアは『食品衛生協会』という、言わば保健所の外郭団体のような組織の推薦をもらい、所轄保健所長から表彰を受けていた。 「推薦しますので」という電話をいただいた時、どういう基準で推薦してもらえたのか尋ねたのだが、答えは明確ではなく、突っ込んだ所で納得できる答えも期待出来そうになかったから、勝手に「食中毒を出さず、衛生管理に問題が無くそこそこの年数営業していれば、いただける名誉なのだな」と判断させてもらった。 別に断る理由も見当たらなかったので、「謹んでお受けします」と言っておきながらも、膝の怪我のおかげで表彰式には欠席した。 届けられた立派な表彰状と額縁は、プライベートスペースで手付かずにそのまんま保管している。

立ち入り検査にやって来た保健所の職員の方が、帰り際にダイニングを見渡しながら「賞状は?」と尋ねた。 「部屋の方にありますけれど。」 「(ちょっとがっかりした風に)そうですか。 受賞おめでとうございました。」 ・・ああ、目立つ所に飾っておいて欲しかったんだな、と、思った。 きっと言われるまでも無く、目立つ所に飾っているお店がほとんどなのだろう。 確かに私も外食の折に、その手の物が堂々と掲げられているのを見る機会も多い。

授与した側からすれば自慢して欲しいのかも知れない。 でも、正直なところ、なんだか見せびらかしているような感じだし、それほど食品衛生に特別な寄与をしたわけでもない。 食品を扱っている者として当然のことぐらいしかやっていないのに、わざわざお客様の目につく所に掲げておくのは、なんだかおこがましい気もして、納得できない。 それとも、そういう表彰状があるのを見ると、安心感を持つお客様がたくさん居られるのだろうか?? 自分だったらそんな部分では評価はしないけどなあ・・。(なにせマイナーな人間なので、ここの感覚には自信が無い。)

手に入れた「他人のふんどし」で儲けられるのなら、積極的に利用するのが商売の正しい姿かも知れないのだが、どうもその辺りの構造に納得できないのも、別の側面では私の、またメモリアの問題点なのかも知れない。

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