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2005.07.29

丑の日だったのか

昨日は野暮用で午後から東京へ行き、とんぼ返りしてきた。 住んでいる場所に比べると都心はやっぱり暑い! 足元のコンクリートと頭の上からの陽射しで、まるで両面焼きグリルみたいだな、などと思いながら歩いていたが、熱くなった建物の壁も左右から輻射熱を撒き散らしているので、4面全体から熱を受けてオーブン状態の方が正しい形容かも知れない。 ともかく田舎暮らしを始めて忘れ去っていた暑さにやられ、帰途につくころにはすっかり疲れてしまった。 乗り換えの少ない安易なルートを選択して、東海道新幹線を使って帰ることに。

夜早い時間の下り新幹線は、通勤の会社員や、夏休みの子供連れの方、ディズニーリゾートの大きなお土産袋を抱えた人などでびっちりと満席状態。 運良く禁煙車両に空席を見つけて陣取り、冷えたモルツのプルタブを引いた。 3人掛けの通路側。 お隣はビジネスマン風のスーツ姿の若い男性だ。 テーブルの上のビニール手提げをがさごそと開いて、きれいに包装された駅弁を取り出した。 夕飯だろう。 視野の端っこでなんとなく見えてくるのは、いくつかの小袋をちぎってはお弁当の上にかけたりしている様子・・揚げ物のソースか醤油かな?、なんとなく気になってしまう。 ところが最後の3つ目の小袋を彼が振りかけた瞬間、お弁当には似合わない香りが漂ってきた。 「なんだっけ、これ? すごく知っている匂い・・」、と、同時に甘しょっぱいタレの香ばしい香りが。 ああ、そうか! 粉山椒だ。 うなぎの蒲焼弁当だ。

得たいが分かってなんだか安心しながらビールを飲んでいる私の隣で、スーツ姿の彼は猛烈な勢いでうなぎ弁当を平らげてゆく。 気持ちの良い食べっぷりだ。 5分もしない内に空になったお弁当をそそくさと片付けてしまった。 ところが今度は車内のどこか別の方向から、またタレと山椒の香りが・・。 空調の風に乗って、また別の場所からも。 こうなると車両全体がうなぎ屋さんの店内のような感覚になってくる。 何だか香りだけでお腹いっぱい。 暑さ負けした体には、この香りだけで十分なビールの肴だ。 それにしても、うなぎ弁当を食べている人がやけに多いな。 品川駅とか東京駅の駅弁でうなぎが美味しいなんて、あんまり聞いたことが無いのに、と、密かに疑問だった。 そして、車内販売のワゴンにもうず高く積まれたうなぎの蒲焼弁当が・・。 「?なんで、なんで??」

寝る前にゆっくり新聞を読みながら、その日が「土用の丑の日」だったことを知った。 ああ、それでみんなうなぎを食べていたのかと、ことのつながりを理解してやっとすっきりした。 世の中の結構多くの人が、ちゃんと「土用の丑の日」にうなぎを食べているという現実が分かって、やっぱり日本人は律儀だな・・と、つくづく思った。

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