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2005.08.08

評価 その2

サービス業というものは不思議なものだと思う。 サービスの対価としてお金をいただくのだが、その割には「お客様本位」の考え方が必要で、サービスを提供する側とサービスを享受する側のどちらもが主役だとも言える。

自分もお客になっている時にはそうだが、サービスを享受する時は、「やってもらって当然」とか「そのくらいはしてもらえるだろう」という風に、あれもこれもとついつい多くを望むのが普通で、ともすれば「こっちはお客なんだから・・」くらいに考えてしまうものだ。 つまりお金を支払う側に主導権があるという前提が存在している。

一方サービスを提供する側としては、全ては対価であるお金をもらう手段なのだから、「やってあげるけどお金はいただきますよ」もしくは「お金を払ってもらえるならやります」というのが仕事の本質だ。 ホテルに宿泊する場合を思い出していただければ一目瞭然。 「お洗濯ですか?ええ、できますよ。 その代わりワイシャツ一枚500円です」、「ルームサービスで朝食、もちろんお運びします。 コンチネンタルで1800円です」というように、基本のルームチャージにどんどん加算されてゆく。 当たり前のことだ。 しかし、そんなことを前面に押し出すと印象が悪くなることを懸念して、約款にはしっかり明記しておくけれど、あまり「お金、お金」と言わないのも暗黙のルール。

Memoriaでもたまにあるのだが、チェックインは15時からとご案内してあっても、「早く着いてしまったので。」と玄関のチャイムが鳴る。 「早く着いてしまった」のではなくて「早く着いた」のだろうが、使えるものなら部屋に入れて欲しいと言わないが言っている。 こちらも掃除さえ済んでいれば対応できないことも無い。 だが、部屋に入れば空調も使うしテレビも点けるしお風呂も使うかもしれないから、当然水道光熱費が他のお客さんより多額に発生するし、すぐそばで掃除機をガーガーやるわけにもいかなくなる。 だから、「この時間にチェックインなさると、規約により別料金が加算されますが、よろしいですね?」と言うと、ほぼ全員の方が「じゃあ、いいです、15時に来ます。」と言って帰ってゆく。 このような対応をする際に必ずいつも「サービス業とは不思議なものだ」と思う。

このようなお客様を別料金をとらずに受け入れれば、評価は上がるのかもしれない。 しかし、同じ料金を払って宿泊している他のお客様は知らずの内に損したことにもなる。 そのような不公平を、サービスを提供する側が発生させてはならないと思う。 だから、別料金を加算するのだ。 もっと言ってしまえば、同様に宿泊客が予約の際に利用した旅行代理店によって同じサービス内容にもかかわらず、宿泊料金に差があってはならないと思う。 それは何よりもお客様に失礼なことをしているという自覚が、宿泊業者や旅行代理店には不足しすぎているとも考える。

お客様側の評価基準と、サービス業経営者としての評価基準は、ある意味では相反する存在だ。 サービスすればするほど、経営上は損するのが普通だからである。 だから、サービスの現場に立つ人間と、サービス業の経営者は分けておかなくてはならないのかもしれない。 きっとMemoriaのように経営者がサービスを提供していてはいけないのだ。(苦笑) 


 

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