名残惜しい
ボトルの底に残っていたラムを、氷の入ったグラスに移す。
ちょうどシングルで一杯くらいの量。
ずっと飲んできた同じお酒なのに、「このボトルもこれで最後か」なんて思ったら、何だかいつもより美味しく感じた。
名残惜しさが生み出した、ちょっとした変化。
真夜中の厨房には外からの鈴虫の音色が響き渡っていた。
いつの間にか夜の網戸に張り付く蝉の数も、めっきり少なくなった。
秋の気配を感じて神妙な気分になる。
日中の暑さは未だになんの代わり映えもしないけれど、やがて確実に今年の夏も終わるのだと思うと、暑さを満喫しておかなくてはならないような気持ちにもなるから不思議。
夏休みのお客様のピークは、まだ先だ。
Memoriaの夏は続く。
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