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2005.09.03

名前

自分の暮らしのダウンサイジングと言っても、まだあまり大規模な片づけを手がける根性が無いので、とりあえず手元に溜まった郵便物の整理から始めた。 このごろのDMは封筒が透明なビニールでできていることが多く、分類も一苦労。 紙製のシールで貼り付けられている私の住所と名前を剥がしたり、塗りつぶしたりしていたら、なんだか自己が社会に埋没してゆくような感覚に陥った。

名前は不思議だ。 名前を持つことによって、人はその人として成立する。 例えば人でなくても、目の前のパソコン・・パソコンといっている間はパソコンでしかないのだが、これに名前を付けて「みっちゃん」などと呼んだりすると(べつに名前が『みっちゃん』である必要はないが。)、途端に個性が生まれて「そういえばこういう事情で、こんな風に購入し、こんなメールも『みっちゃん』から送信したな」と、急に固有の歴史が伴いだす。 その時点でもう、『みっちゃん』は単なるパソコンの粋を越え、他のパソコンの追従を許さない『みっちゃん』として成り立つのだ。

私の友人の中にちょっとおもしろい人がいて、その人は普段の会話の中でも相手の名前をたくさん呼ぶ。 「そうよね、リーボー。」とか、「リーボーはそう思ったの?」とか、相槌の中にいちいち名前が入っているのだ。 慣れるまでは何だか照れくさいような、落ち着かないような気分にもなったものだが、付き合いも長くなると聞き慣れてきて、名前を呼ばれることが快感になってくる。 だから、私も意識的に相手の名前を呼ぶようにしている。 元来、人の名前を一致させるのが得意ではないので、それを克服する目的もあって。 

せっかくの自分の名前を大事にしたいし、相手の名前も尊重したい・・そんな気持ちだ。 

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