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2005.12.29

年末だから

朝、いきなり玄関先のチャイムが鳴る。 扉を開けたら、二十歳そこそこの、この辺りには似つかわしくない若い女性が一人立っていた。 ノーメイクで唇の皮がめくれていて、眉もボサボサだ。 今時この年齢でもこんな人がいるのかと、驚き怪しみつつ対応する。 即座に宗教の勧誘を疑うも、その場合はたいてい二人連れなので、どうやら違いそうである。
「はじめまして。 ここは自然が豊かで良い所ですね。」
笑っているがずいぶん唐突だ。 
「はあ・・ご用件は何でしょうか?」
「私、茨城県の土浦から参りました○○本舗の●●と申します。」
そう言いながら、いきなり小脇に抱えていたファイルを開くと、お揃いのウィンドブレーカーを着た社員が10人ぐらいで並んでいる集合写真を見せられた。
「私がここに写っています。」
「・・あの、何かの営業の方ですか?」
「今朝はとっても寒いですね。」 相変わらず顔は笑っているのに、話がちぐはぐで噛み合わずにイライラする。
「何かを売り込みにいらしたのでしょうか?」
そこまで聞いてようやく、彼女はまたファイルをペラペラとめくった。
「桑の葉茶のお勧めなんですけど。」
申し訳ないが、当然売買が成立するわけも無く、私は早々に彼女を追い返す役回り。
最後に「寒い中をお疲れ様でした」という私に、
「どうぞ健康でお過ごしください。」と、妙な挨拶をして深々と頭を下げて帰っていった。

営業で今更「ここは良い所ですね」なんて言われるのは、「そこの社長さん」といって仕事帰りの男性を誘う水商売の女性くらいに、希少価値が高い。 多分そういう感じで世間話を広げて相手の緊張をほぐしつつ、商品を売り込むテクニックを教育されたと思われるが、全く逆効果になっていることを彼女は気付いていないのだろうか。 こんな寒い中を一日かけて何軒回り、あのやり方で一体いくらの売り上げが立つというのか。 あんなうら若い女性が、そんな内容の仕事をしているなんて、一体どれだけ情けない社会なのか。 対応したこちらの方が、朝からがっくりと疲れてしまった。

個人ではなく会社を対象とするローン会社から融資の案内電話が来たり、中古車があれば買い取ります、なんていう営業が来たり。 確かに宿泊業はお客様の到着前に先行投資が必要だし、お正月はお客様が集中する分だけ、事前の準備にお金が必要なのも確かだが、世の中のそんなにたくさんの宿が、この時期に車を手放したり、高利の借金をしてまで運営資金を調達する必要に迫られているとしたら、それこそが一番問題だ。

去年のこの時期には、「青森から来ました」と言ってリンゴジュースを売り込みに来た人があったっけ。 考えようによっては、一般家庭では体験できない年末の風物詩なのかも知れないと、そんな風に思うことにして、自分を納得させた。

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コメント

それ、統一教会ですね。

昔は珍味でしたが、
今は合同結婚式後にできちゃった二世が
桑の葉茶を売り歩いています。

投稿: | 2008.08.24 14:38

ああ、そうだったんですか!
それは全然知りませんでした。
思い出してみれば、確かに新興宗教系の方に独特の感じはしましたね。 すごく印象的だったので、いまでも如実に覚えていますです、彼女の顔立ちも、はい。

統一教会なら統一教会の勧誘だってちゃんと名乗っていただけたら、対応も違ったのに・・。 ぼやかしたまんまでアプローチをしてくるところが、汚いというかズルイ気がしますね。 アンフェアだなあ。

書き込みをありがとうございました。

投稿: リーボー | 2008.08.24 15:16

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