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2006.01.17

こちらも訓練中

二度目の脳梗塞(大きな発作は二度目というだけで、病名そのものは多発性脳梗塞だから、MRIを見ると普段から小さな梗塞はポツポツ起きているらしいが。)でリハビリ入院中の義父と会話していると、ある時点から急にボーっとしてしまう私に気付くことが多かった。 他のシーンではあまり経験したことが無かったので、私自身が脳梗塞でも起こしているんじゃないかとか、若年性アルツハイマーの検査が必要かとか、実は密かに気にしていた。 ところが、数日前の朝日新聞に載っていたコラムを読んで、「ははーん、これだな。」と思うものを見つけた。

センター入試に採用された英語のリスニングに関する文章で、著者が受験生と同じ長さの英語を聴いてみた経験談だ。 とある長さまでくると集中力が途切れて思考が止まり、一度そうなるともう、そこから先で集中し直しても、聴きそびれた間の話の筋には追いつくことができないという話だった。 コラムによれば作家の村上春樹氏も同様の経験を文章にしているらしく、『ウルトラマンの電池切れ』と表現しているらしい。

義父は発声が難しくて無声音での会話が多く、尚且つ発作を起こしてから使える語彙がかなり制限されてしまったので、何を伝えたいのかをこちらが理解するためには、相当な集中力を要している。 そのことに私自身が気付いていなかったから、知らず知らずの内にエネルギーを消耗してしまい、ある所から突然ぼんやりしてしまうのだ。 入院生活はやはり寂しいものだろうから、私達が面会に行くと義父はたくさん話そうとして、結果こちらも必死に聞き取ろうとして、やがてカックンとくる。 多分会話の連続が20分くらいの場所に、そのボーダーが存在している。

慣れによって少しは時間を延ばしてゆけるかもしれない。 義父の言葉を聞き取る中での力の抜き方も判ってくることを、自分に期待したい。 本人がリハビリ訓練中なのと一緒に、私も訓練中と言ったところだろうか。

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