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2006.02.15

おからを炊く

たまに思い出して食べたくなるものの代表選手が、私にとっては「おから」だ。 少し甘さを強めた味でじっくりと煮ると言うか、炒ると言うべきか。

おから自体は大変安く手に入るものだが(産業廃棄物扱いで揺れた裁判もあったっけ)、一緒に合わせる具材はダシが出るものをたっぷり使わないと美味しくならないので、結果としてそこそこの材料費がかかってしまう。 しかも、なるべくたくさんの種類の具材と合わせるのがポイントのようで、庶民的なイメージとは裏腹に、実はなかなか贅沢なおかずだ。

実家の母の作るおからには、決まってアサリの剥き身が入っていた。 手に入らない時はアサリの水煮缶を使うこともあったものの、とにかく「おからにはアサリ」だった記憶がある。 結婚してから、自分でもいろいろ実験してみると、アサリでなくてもホタテとか海老やイカとか「海系のもの」、それも俗にシーフードと呼ばれるような素材とは相性が良いみたいで、冷凍庫に余らせていたシーフード・ミックスなど入れると、格段に美味しくなる。 これは具材を細かく切る手間も省けるので一石二鳥。

最近ではマーケットの惣菜コーナーでも、食べきるくらいの量でパックに詰めたおからが売られている。 伊豆に来てから何回か市販品を利用したことがあったのだが、何か自分が作るのとは違う香りがして、「これは何を入れているのか?」と、ずっと疑問に思っていた。 昨日、買い物に出かけた時に生のおからを買ったのだが、私のすぐ後ろでやはりおからを買っていたオバサンが、一緒に買い物していた人と「おからだから、サバも買わなきゃね。」と、会話しているのに遭遇。 ん?おからにサバ?・・そーっと後をつけて行ったら、缶詰のサバの水煮に手を伸ばしていた。 騙されたと思って、私も一缶買ってきて早速トライ。 結果、「この辺りでよく遭遇する味」に仕上がって、長年の謎がひとつ解決された。

水煮のサバは汁ごと加え、他の具材やダシと合わせていつもの味付けに。 しゃもじでかき混ぜているうちに、サバの原型はすっかり消滅して、おからと一体化してしまう。 渾然一体となる気合の入った仕事っぷりが潔い。 なかなかこれも美味しかった。

ちくわやかまぼこ、ねぎ、人参に椎茸・・いろいろ贅沢に使って丁寧に煮上げてゆくのも、幸せなひと手間なのではないか。 市販品も便利だけど、たまにはいかがです?


山下達郎氏のアルバムをCDに落としていたら、B面最初の反戦歌で、苛立ちをぶつけられたように録音レベルが思いっきり振り切れた。 ぼーっと聴き入っていた中での思わぬ出来事に、なんだかハッとさせられた。 季節外れの暖かさ。 生ぬるい風が日々の生活に重ね合わされて、憂鬱な気分を運んできた。

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