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2006.04.09

その1 「幻」を食べに

自主的研修に行ってきた。

目的地は大田原(おおたわら)である。 大田原と聞いてピンときた方は、「どっちの料理ショー」や「ぷっすま」もしくは「でぶや」といったテレビ番組をよく見ている人か、食分野に対しての探究心が旺盛な人だと思う。 そう、今回の目的はズバリ「大田原牛を食べること」であり、「大田原牛を通してビジネスモデルについて考えること」である。

大田原牛については、とりあえず商標を持っている大黒屋総本家さんのHPをご覧いただくとしても(多分こちらを読んでもはっきり解らないと思うが、これについては後から詳しく述べることにして。)、しばらく前では、ここの10万円ステーキを奢らせるという恐喝事件まで起きて、一躍話題になった牛肉としても知られる。 10万頭から一頭現れるかどうかの最上級和牛とのことと、扱える店舗が少ないこと、希少価値によってそれなりの値段がついていることとで、誰でも気軽に食べられるという肉ではなく、「幻の和牛」と名高い。 で、味にうるさいとされる有名人がテレビでこぞって絶賛しまくっているのである。 たかがステーキで一人前10万円以上取るというのは一体どういうことなのか、非常に気になる所で、まあ、テレビに出た芸能人がその美味しさを褒めちぎっているとしても、それを鵜呑みにするような私たちではないから、いったい栃木の片田舎で何が起こっているのか見てこよう、と思った次第である。

いつものことながら道中にもツッコミ所満載なのだが、そのうち小出しにすることとして、とりあえず大田原牛に的を絞る。 予め予約しておいたのは「別格超吟選BMS12コース」・・もうこの名前だけで混乱しそうでしょ?

日本での食肉牛の肉の格付けには、二種類の基準が併用されている。 ひとつは日本食肉格付協会が設定する、15段階の肉質ランク(A1~C5)、もうひとつは霜降り(サシ)の状態を12段階で表すBMS(ビーフ・マーブリング・スコア)。 大田原牛と名乗るためには、この二つの基準でA1とBMS10以上をクリアしていなくてはならない。 で、当然その高品質の肉に中でも、よりランクの高い肉とそうでない肉が存在するわけで、「別格超吟選」とは、より選別された肉で霜降り度が最も高いもの、ということになる。 (ちなみに大田原で育てられた和牛でなくても、A1とBMS12をクリアした和牛であれば、不味かろう訳が無い。 そこで、大黒屋総本家さんは全国からこの最高級ランクの肉を買い集めて『牛超BMS12』のいう商標を取ってご商売なさっている。)

鉄板の前のテーブルに案内されると、すぐにこれから焼かれる肉が運ばれて来て、じっくり見せていただけた。(厚めの肉をステーキを焼く時は、冷蔵庫から室温にしっかり戻しておく必要がるので、そのために早めに運ばれたのだと思う。) すごい霜降り!! 霜がメインなのか、肉繊維がメインなのか、もう判らないくらい。 フィレとロースが並んでいたが、フィレの常識を覆す量の脂肪が全面に均一に入っている。 ロースに至っては、どこからが筋肉繊維のパートなのか曖昧なほどだ。 脂肪の白さによって、肉全体が美しいピンク色。 これは今まで見たことの無い、初めての経験だ。 牛は生育期間が長いほどサシが入りやすくなるので、じっくりと生育されたものなのだろう。

コースはちょっとした前菜が3品、ステーキ、それにサラダとガーリックライス、フルーツシャーベットとコーヒー付きだ。 どうせならということで、目の前で焼いていただく「鉄板焼きスタイル」を選択しておいた。 お店ではお手ごろな価格で楽しめるハンバーグやステーキなどもあるようだが、それならばわざわざ大田原くんだりまで足を運ぶ必要も無いので、「相手が一番良いと思っているものを地元で食べさせてもらおう」、と、考えた。 それが、最近できた東京の支店を選ばなかった理由でもある。

一品目は生ハム。 表面にブラックペッペーがぱらぱらと振ってあった。 当然ながらこれは豚肉だ。 自家製であることは判る。 ちょっと凍っていた。 計算された結果ではないのだろうが、逆にルイベの様な感覚で面白い。 まあまあ。 肉の味は濃いけれど、風味(香り)が足りない印象。 多分熟成期間が若いので、「塩漬け肉」の感覚で食べさせたいのだろう、と、思う。 上からペッパーを振るよりも、ソミュールに何かハーブや香辛料でアクセントをつけたら面白くなりそうだが。 二品目はあらびきソーセージをソテーしたもの。 美味しいソーセージであることは認めるが、特筆すべきではなかった。 この程度ならどこぞの通販でも簡単に入手できる。(失礼。) 三品目でようやく大田原牛様の登場である。

(どこかのテレビ番組のように引っ張るつもりは無いんですが、長くなったので一回切らせてください。)

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