« ワイルドにいこう! | トップページ | 相棒はドミグラス・ソース »

2006.04.19

筍は一斉に広まる

とある方から、立派な筍をたくさん届けていただいて2日間。 その間の出来事はなかなか面白いものになった。

筍が近くで採れるような所で暮らしたことのある方は、お解かりになるだろう。 筍は一斉に生え始め、一斉にみんなが収穫する。 そこそこの竹林があれば、何本も採れる。(厳密に言えば、筍を採らないと竹林が荒れてしまうそうで、採らざるを得ないのだそうだが。) それで、お知り合いの方々に配ることとなるのだが、みんな一斉に配りまくる状態だから、既に「ごめんなさい。 ウチにもう有るのよ・・。」、なんて言われてしまうことも多くあり、まだどこからも筍が届いていないお宅を見つけるのが一苦労なのだ。 それにも増して、筍はどんどん鮮度が落ちて「えぐ味」が増してしまうから、まさにスピード勝負。

とりあえず、距離が近いご近所から当り始めたものの、なにせ田舎なので、ご近所だってそこそこの移動距離だ。 大きな筍をいくつも抱えて、汗をかきながら配ってゆく。 今年はラッキーなことに、この段階で約半数が捌けた。 一巡した所で、覚悟を決めて茹でることに。 持っている一番大きな寸胴鍋にたっぷりの米ぬかと唐辛子。 大きな筍の先を、気合を入れてスパッと落とし、切れ目を入れて次々に鍋の中へ。 そこから一時間くらい炊き続ける。 折りしも初夏の陽気で、厨房の中の気温も上がって、いつの間にかまた汗をかいている。

焚いている間にやや離れた所にお住まいの何軒かのお宅に、「筍はいかが?」、と、電話してみる。 一軒のお宅で貰って下さることになり、アクが抜ける明日届けることが決定。 筍に竹串がすっと通ったところで、火を落としてそのまま冷ましてゆく・・熱い鍋があるおかげで、厨房は暑いくらいだ。

次の朝、鍋から筍を取り出して、外皮を剥いてぬかを洗い流して掃除してから、きれいな水に移してゆく。 食べられない外皮だけでも、集まるとシンクにいっぱいの量だ。 一時間ほどかけて剥きまくり、一息入れてから、ジッパー付きのビニール袋に2本ずつ収めてきれいな水を注ぎ、空気を抜いてゆく。 約束をしたお宅に配りに行く前に、昨日お留守だったご近所の数軒に、もう一度電話して確認して、二軒受け取り手が見つかった。

配り終えて、手元には筍と引き換えにいただいた食品がたくさん・・。 新ワカメ、茹でたイカ、菜花。 フレッシュな香りのピーチ・ティーをご馳走になったりもして。 春を配って、春をいただいてきた、そんな感じだ。

山桜の花びらが散る中で、春があちこちで行ったり来たりしている。

手元に残された筍は、手始めに「たけのこごはん」と煮物になって、いただいてきたご馳走と一緒にテーブルに並んだ。 そして、今日のお昼には、塩味の焼きそばにもたっぷりの筍。 きっとこの辺りのご家庭では、どこでも「たけのこ料理」が食卓に上がっているはずだ。 みんなに一斉に春が広まっているみたいで、なんとなく楽しい。

|

« ワイルドにいこう! | トップページ | 相棒はドミグラス・ソース »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 筍は一斉に広まる:

« ワイルドにいこう! | トップページ | 相棒はドミグラス・ソース »