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2006.04.30

ものは言いよう

昼食は「ベーコンと水菜のパスタ」。 食べながら『ますたあ』と、昨夜放映されたTBSの料理番組の話になる。 番組でゲストと堺巨匠が作っていたのは「春野菜のパスタ」だった。 美味しそうな緑がお皿の上で踊っているような季節の一皿、とでも言ったら良いか。

「考えてみれば、リーボーが作るパスタは昨夜の『春野菜のパスタ』的なものが多いよね。」
確かに塩味系のパスタに野菜をたっぷり使うと、出来上がりの系統は自ずから似通ってくる。 それに、パスタはどうしても塩味(アンチョビやベーコン系)・トマトソース系・ホワイトソース系・和風系の4つが主な分類で、また、それらが小麦粉の味に良く似合って美味しいのだから仕方が無い。 細かくネーミングを付ければ「○○と●●のパスタ」となるが、それはイコール「冷蔵庫にあったあり合わせの季節の野菜がたっぷりのスパゲティー」でもあるわけで、なーんだ同じことじゃん!、とも思うのである。

ただ、何も頭を働かせずに二つの名前を聞いた時に、受け取るであろうイメージには、大きな差があるのも事実。 前者は小洒落たイタリアンのお店で書いてありそうで、明るい日差しが差し込む店内で、ゆっくりと食べるのに相応しく、可愛い器でちょびっと盛り付けてあって、デザート付き1500円といったところか。 一方、後者は、社食でいつものオバチャンが、いつもの器で「アイヨ!」っと出してくる感じだし、「オマケで大盛りにしてあげる」みたいな、パスタもすっかり伸びきっているような・・。 さもなくば、賄い食のいずれかである。

わざと人なつっこいイメージを与えるために、家庭的な雰囲気のイタメシ屋さんで、後者のようなメニューをひとつだけ混ぜておくことはあるにせよ、本当のことをそのまま曝け出して表現するのは、なかなか難しいものなのだ。 例えば「シェフのおすすめ系」または、「シェフの気まぐれ系」及び、「シェフにおまかせ系」は、その冴えたるものに間違いない。 オススメと言われれば聞こえは良いが、これは作る側にとっては至って都合が良い表現で、例えばトマトが安かったらそれを使えばよいのだし、トマトを使い切ってしまったら鮮度が落ちてきたキュウリを使っても良いし、隣のテーブル同士で内容が違ったって、「これがオススメなんですよ」と言ってしまえば、全て丸く納まってしまう、正に虹色の名文句。 でも、「シェフのおすすめ」と言われたら、なんだか美味しそうだし頼んでみたくなるでしょ?? 外食産業を運営している以上は、不味くはない程度の最低限のレベルみたいなものが存在しているから、いくら「おまかせメニュー」でも、ハチャメチャなものは出してこないと思うけれど、(いや、思いたいが、)その裏事情は案外気付かれないものなのかも知れない。

ためしに、なんでもない普通の晩御飯のメニューを、巻紙風の和紙に毛筆で縦書きして、「一、地場産独活 料理上手な奥様こだわりの信州味噌を添えて」、なんて書いてみると、それはそれは凄いメニューが出来上がるはず・・。 奥様同士のちょっとしたおもてなしにも、すぐに使える手だと思う。

雰囲気も美味しさの内、なのだろう、きっと。

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