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2006.04.05

東京で何をしてきたか その3

恵比寿での目的は一軒の「隠れ家バー」だ。 このバーは、とある事務所兼ショウルームに作られていて、しかも、週末のみの営業らしい。 マンションの一室なので、知っている人でなければ外観上はまったくバーとは気付かれないような佇まいである。 このバーの女主はなかなかバイタリティー溢れる方で、今は有限会社の代表を務めておられる。

彼女は、まだ私達がペンションを開業して間もない頃に、旅行雑誌の取材でやってきた若いライターさんだった。 モデルの女の子とカメラマンを伴って、伊豆半島内を何泊も取材旅行する途中で、一泊してくださった。 しかし、第一印象から「仕事に対しての姿勢が他のライターとは明らかに違う感じ」が漂っていて、バーカウンターで深夜までいろいろなお話をした。 何が違うかって、ハードなスケジュールの中、こんなに楽しそうにお仕事をしている旅行ライターさんは見たことがなかったし、「自分の目で見て、自分で経験して、自分の言葉で表現するんだ」という、徹底したプロ意識のようなものが、童顔の彼女の外見に反して漂っていた。 やがて、有名旅行雑誌として出来上がってきた彼女の文章を読んで、その「只者ではない感じ」が現実のものとして証明され、的確な、余計なおべんちゃらをそぎ落とした日本語に、私は唸ったものだ。 その後、プライベートでもお友達を連れて何回かおいでくださり、その度に朝までいろいろな話をした。 やがて彼女は独立して、事務所を構える。 元々好奇心旺盛(と、見える)彼女は、古い着物の生地を使って洋服や小物を生み出すブランドの運営も始めるようになり、事務所兼ショウルームが週末の夜だけバーになるのだ。 連絡はかなり前にいただいていたのだが、私が上京するのは大抵ウィークディで都合が付かず、今回ようやく叶えられた次第である。

「●日に伺いますが、ライブの後なので遅くなるかもしれません」と、メールを打ったら、「2時までに入ってくだされば大丈夫です。 うちは4時5時までは当たり前ですので。」との返信が。 一体どんなバーだよ?!、メモリアのバーと状況は変わらないな、さすがはメモリアの定連さんだった方・・と、大爆笑してしまった。 で、まだ夜も序の口な?23時前に店に到着。

こじんまりしたスペースは、いかにも彼女の人脈らしい、まじめに楽しんでクリエィティブな仕事をしている皆さんで賑わっていた。 いろいろな話題が出てきても、何にでも対応できるような、一般のレベルに比べたら明らかにアンテナの張り巡らされた、簡単に言えば「高感度」な、でも、気取らずフランクで、どこか天然っぽい人達。 なんだかとても居心地の良い空間で、すいすいと飲んでしまう。 『その人を評価するには、友達を見れば良い」などと言われるけれど、まさに普段の彼女の姿勢を表している空間だった。 彼女の元気そうな姿も嬉しかったのだが、そのバーに広がっていた雰囲気そのものが、とても眩しく思えた。 近くに住んでいたら足繁く通うのになぁ・・と、悔しい。

最後にはタロット・ワークまで飛び出し、ふと時計を見ると3時を回っていた。 6時過ぎには起床予定だったので内心焦りつつも、こんな空間で時間を過ごさせてもらえたことがとても満足に思え、何の後悔もない自分に笑ってしまう。 バーを後にして道路に出ると、道の反対側に新聞の集配所があって、自転車やバイクに朝刊を積んだ人達が四方八方に出発してゆく所だった。 もう働いている人達に申し訳ないような気持ちになりながら、タクシーを拾い、ホテルに戻ってきたが4時。 こんな気持ちの良い朝帰りは久しぶりだった。

Nさん、そして、お友達の皆様、遅くまでゴメンナサイ。 おかげさまでとっても美味しいお酒でした。 またいつかお会いいたしましょう。   

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