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2006.05.16

結婚の側面

ちょっと前、テレビ東京の「カンブリア宮殿」という番組に、ネットビジネス界でご活躍の若くて著名な二人のゲストが招かれていた。

番組の終盤で進行役の小池栄子さんが、「お二人はご結婚されているんですか?」、と、あっけらかんと尋ねたところ、メイン・インタビューアーを務めている作家の村上龍さんが、腕をさり気なく小池さんの前に出して、内容を遮りながら言った。 「栄子さん、それはセクハラだよ。」 きょとんとしている小池さん。 そこに説明するように村上さんが続けた。 「そういった個人的なことは、あんまり気軽に人に尋ねたりしてはいけないものなんだよ。」 「あっ、そうなんですか。 ごめんなさい。」 素直に謝った小池さんに、ゲストが逆に気を遣って、「いや別に構いませんよ。 僕は妻帯者です。」、と、自ら話す、そんなシーンが流されていた。

確かに結婚していようがいまいが、仕事には直接関係が無い。 でも、世間にはそんなことで価値観を決めようとする人々も確かにたくさん居て、未だに「結婚しなければ一人前とは言えない」などと、訳の解らぬ理屈をこねる人々も、決して少なくは無い。 メモリアにかつて宿泊された、若い男性の営業職の方の多くは、フェイクの結婚指輪をはめていた。 左手の薬指に指輪をしているのとしていないのとでは、お客の、特に初対面での信用度がまるで違うのだそうだ。 そんなことで相手を判断するのも妙な話だと、私などはついつい思ってしまうのだが。

ニュースで、最近人気のレミオロメンのボーカルの方が結婚しておられ、お子さんも居られることが配信されている。 よくある話だが、こんな時、女性雑誌の記事の見出しでは、たいてい『隠し妻、隠し子発覚!』みたいな切り口になってしまう。 聞かれなければ答えなくていい事なんだから、世間に知られなかっただけの話で、別に意識的に隠していた訳でも無かろうに・・。 まるでこそこそ隠れて生活させられていたような印象で、ご家族の心中を思うと、やるせない気持ちになる。 そこそこに顔が知られてしまうと、生活上の不自由が増えるし、病的趣味を持つ人々のターゲットにもなりかねないから、家族を守ろうとして、わざと結婚していることを公表しない人も、このご時世たくさん居られると思う。 それとは別に自分達の考えで、籍を入れない「事実婚」という形式を選択したカップルも、私の周りに複数存在しているし。 

色々な考え、色々な形態が、入り混じっているのだろう。 そして、勝手にそれぞれの人が自分の価値観で、相手に質問を投げかけたり、現実を切り取ってキャプションをくっ付けているだけだ。 コンセンサスが得られない以上、それぞれがちゃんと自分で考えて自分の考え方を持ち、ペアとしてなり家族という一単位としてなりが、ちゃんと納得していることが、何よりも大事なんだと思う。 そして、必要が無いのに、軽々しく相手のプライバシーに足を突っ込むのは、やはり、お節介というものだろう。

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