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2006.06.13

連鎖

厨房の窓の外には、建物に近い場所に木がある。 二階の高さほどの木で、今ちょうど白くて細かい花をたくさん枝先につけている。 常緑樹で、どちらかと言えば目隠しの役割をするような木なので、人が見て美しいと思うような観賞用の花ではないが、昆虫にはとても人気があるらしく、大きな黒いアゲハ蝶がひっきりなしにヒラヒラ来訪しているのが見える。 緑の葉に白い花、黒い蝶。 そのコントラストが鮮明で美しい。

この時期には鳥たちも元気で、あちらこちらでピーチクパーチク囀っていて騒がしいくらいだ。 ちょっと雨が止むと、みんな一斉に腹ごしらえと見えて、人を恐れずに建物の近くまで飛んできては、スイカズラの蜜を吸うもの、木の梢で虫をついばむもの、黒紫に熟した山桜のサクランボを食べては種だけを上手に落とすもの・・それぞれのお食事風景も楽しい。

厨房の外でも、なにやらバサバサと羽ばたく音が聞こえている。 ちょっと移動しては、少し立ち止まり、またすぐにバサバサ。 あまりに落ち着かないので、包丁を持つ手を休めて「何をしているのか」と顔を上げると、スズメが2羽でお食事中のようだ。 枝をちょこまか移動しては、時折、緑色の幼虫をくちばしにくわえて食べている。 その間にも梢の上のほうでは、たくさんの蝶だか蛾だかがヒラヒラと舞い、花の蜜を吸ったりじっと葉の裏で卵を産み付けたりしている。 スズメは羽を広げた蝶よりも小さいので、蝶を襲ったりはしない。 もっぱら幼虫専門だ。

食べられる傍から卵を産むその光景に、なにか無常なものを感じたのも事実だが、それ以上に、生き残って子孫を残すたくましさに、惚れ惚れとするような気分だった。 自然のバランスは「神の手」などと言われるだけあって、本当に絶妙で人間の計算など足元にも及ばない。 ああ、なんてちっぽけなんだと思いながら、外の光景に見とれてしまっていた。

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