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2006.08.30

使命感

買い物の帰りに、義父のお世話になっている老人施設に寄ったら、たまたま施設長さんが居られた。 挨拶をして、義父のことを少しお話して・・いつものことなのだが、いつもと違って今日は彼女の目の周りにクマができていた。 心配になって、「お疲れですね、大丈夫ですか?」と、喉元まで出たのだが、ぐっと飲み込んで黙った。 こういう仕事をしている人、特に職業意識の強い方は、往々にして自分の弱みを他の人に悟られるのを嫌う人が多いようだ。 「サービス業に従事するものとして、自己管理すらできないことは恥ずかしいことだ。」と捉えるのだろうか。 疲れていても、外には疲れを見せないようにする。 それを意識する、しないは、それぞれだろうけれど。 ・・溜め込んで具合を悪くしたり、爆発したりしなければ良いな、などと内心思いつつ、結局私には何もできない。

俗に言われる「大変な仕事」に従事する方ほど、使命感がないと務まらないから、自分のためにも使命感を感じ、身につけることに努力しなさい、と、学生の頃に言われ続けた。 忙しくて自分を省みる暇もなく走り回っている内に、身も心も疲れ果ててしまい、何のために自分はこんなに働いているのか、と考えるのは、当然のことだろう。 その時に立ち戻れる拠り所を持っているかどうか、それが大きな違いらしい。

気分転換や楽しいことを貪るのでは、根本的な解決には繋がらないから、結局一時的な逃避に過ぎない。 軽度な疲れならそれでも回復できるだろうが、やがて不十分に感じる時が来るかもしれない。

特定の宗教を持たなくても、「自分はその仕事に選ばれた」とか「その対象に選ばれた」と、自分に言い聞かせているうちに、だんだんその気になってくるものだ、とも、学生時代に言われた。 その時はピンとこなかったのも事実だが、今から振り返ると思い当たる節もある。 お金のためではなく自分のために働く、それが即ち誰かさんのためにもなる、そういう存在が本来の仕事の意味だと。

老人施設で働き始めた新人のヘルパーさんたちは、ちょっと見ぬ間に、不自然に太ってきた人が多く見受けられた。 ストレスが強いのだろう、きっと。 自分の使命感を自分で見つけて、職員として成長してくださったら嬉しいのだけれど。 若い彼らを取りまとめる施設長さんも、さぞかし大変なことだろう。 そのおかげさまで、笑顔で生きていられる義父が居る・・。

帰り際、ただただ祈るような気持ちで、施設を後にしてきた。 

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