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2006.10.03

気が抜けても

一昨日のこと。 夕食時にたまたま飲んでいた発泡酒を飲み残してしまった。 こんなことは滅多に無いことを断っておくけれど、飲み始めてから「どうやら今夜の身体はアルコールを拒否している」ことが判ったので、その時点で飲むのを止めて、結果として100cc程度の発泡酒が残ることになった。 さて、どうしようかと迷ったが、考えるのも面倒だったので、缶のまま冷蔵庫へ。

ずっと前、エビス缶をお風呂上りに飲んでいたら電話が掛かってきて、そのまんま飲むのを忘れ去ってしまい、同様に冷蔵庫に入れておいたことがあった。 次の日、仕事を終えてから恐る恐る飲んでみると、炭酸は完全に抜けていたが、「風変わりなモルト飲料」といった感じで、決して不味くはなかった。 思ったよりもいけるじゃん!、と、感じた。 それから近年では膝を脱臼した時に、一日にモルツを半缶ずつ飲んで、残りを翌日分として残しておいたことも記憶に新しい。 この場合はプラスチック製の蓋をぴっちりと閉めておいたから、次の夜になっても微炭酸と呼べる程度には炭酸が残っており、普通に美味しく飲んでいた。 ・・そんな経験を思い出して、まあ何とかなるだろうと、今回も安心して冷蔵庫に入れておいたのだ。

ところが、だった。 次の日に飲んだ発泡酒は「んんん??」という代物に見事に変化していた。 炭酸が抜けているのは予測の範囲内だったが、味がほとんど無い。 無味無臭とまでは言えないが、すごーくマヌケな液体。 色だけは一人前に発泡酒の色なのに。 あまりの「おマヌケな味」加減に、その場で思わず笑い出して、『ますたあ』にも味見させてしまった。 間違っちゃった番茶の出がらしみたいで、大笑い。 不思議なことに苦味成分までもがひどく薄い。

「こりゃあ珍しい!」と逆に興味本位でちびちび味わいながら、「これに炭酸を加えたら発泡酒の味になるのだろうか?」、と、真剣に悩んだ。 俄かには信じ難い不思議な液体だ。 炭酸の抜けたソーダなどが、すごく甘く感じられるのはよく知っていることだが、いやはや本当に恐るべし炭酸の力、である。 見てはいけない発泡酒の正体を見てしまったような気持ちで、胸の奥がほんのちょっと痛んだ。

今回学んだことは、炭酸の影響力の大きさと、「腐っても鯛」ならぬ「気が抜けてもビール」ということだった。 

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