違いの判らない女
納戸として使っている日陰の部屋にお酒のボトルがしまいこまれていて、「このままにしておくのもナンだなぁ」と気になっていたので、秋頃から大好きなビールを我慢しつつ順番に飲んでいる。 多分我々夫婦が(特に私が、か?)お酒好きなのを知っている方々が、珍しいものを届けてくださったり、ちょっとしたお礼やご挨拶でいただいたりしたものが、だんだんと溜まってしまったのだけれど、日本酒・焼酎・スピリッツ・リキュール、ボージョレーヌーボー・新酒・年代物、そして『得体の知れないボトル』も数本、と、まあ個性豊かで、なかなか面白いことになっている。 『呑んべいの勘』を頼りに時間が経つと美味しくなくなりそうなものから飲み始めて、現在ではスピリッツが5本ほど残っているだけになった。
先日封を切ったのが、これまた謂れの判らないボトルで、酒屋の品揃えを覗くのが趣味の私も、全く見たことの無いボトル。 しかも、輸入代理店等の日本語表記も全く無い。 洋ナシのイラストがあるので「洋ナシ酒」なのだろうが、判るのは度数が40%ということと、スイスの酒であるということぐらいだ。 銘柄がまた凄くて、「Willams Christ Birne」である。 セカンドネームがキリストですよ、キリスト! ・・クリスマスの待降節にはぴったりかもしれない。
甘ったるい甘味果実酒だったら嫌だな、と、グラスにちょっぴり注いで、恐る恐る味見。 「・・あっ、いけるいける! 良かった、甘くないよコレ。」 どちらかと言えばほんのりと上品なフレーバード・ウォッカみたいだ。 丸みがあってやわらかい熟成された感じがする。 早速そのままオン・ザ・ロックスで「うんうん、当たりだ!」と楽しんだ。
さて、調べてみようとあちこちネット検索してみると、とりあえず『お酒のくちコミサイト』のリストには上げられているものの、書き込みも無ければ、取り上げている日本語サイトも全く見当たらず、相変わらず謎だらけ。 で、唯一判ったのは『参考価格8000円』であった。 「ええっ?コレ8000円もするんだ!」、こっちの方がビックリである。 急にじっくり飲まなくては申し訳ないような気分になってゆくところが、なんとも貧乏人の悲しさ。 8000円と聞いてしまったからなのか、よくよく見ればボトルのエンボス加工も美しいし、なんだか由緒正しき歴史に裏づけされたお酒のような顔つきに見えてくるから不思議だ。
だいたいスイスの国民が普段どんなお酒を飲んでいるのかすら、こちらはちんぷんかんぷんなのだが、このまったりとした濃さやまろやかさは雪のシーズンに似合いそうではある。 ありがたく楽しませていただくことにしたい。
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