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2006.12.29

「小田さん」と「焼き鳥」の夜

昨日の夜は、ジムへ出かけていた『ますたあ』が焼き鳥をお土産に帰ってきた。 焼き鳥は私の大好きな物のひとつ・・どのくらい好きかと言うと、結婚してから初めて風邪で寝込んだ時に「なにか食べられそうなものがあれば買ってくるけど」と聞いてくれた『ますたあ』に焼き鳥と答えて、やっぱり酒の肴なのかと呆れられた。 具合の悪い時にも食べられる物は限られているし、その人の嗜好が端的に表れるような気がする。

この辺りでは残念なことに焼き鳥屋さんは皆無に等しく、たまに小さなスーパーの店頭にやって来る移動販売を捕まえなくてはならない。 私の記憶が正しければ今年2度目で、尚且つ多分今年最後の焼き鳥だ。 「ああ世の中には確かにこんなに美味しい食べ物が存在していた」と、久々に思い出した焼き鳥という料理をいとおしみながら、味わっていただいた。

早々に入浴を済ませて、毎年恒例となった小田和正さんの「クリスマスの約束」を見る。 冒頭の「粉雪」を聴いたら、もうノック・ダウンされたような気分だった。 上手い! 昔から好きだったとか、聴き慣れている唄い方や声であるという部分を差し引いても、余りある上手さ。 「粉雪」ってこんな歌だったのか?!とでも言いたくなるような印象で、やられた。 気付けば最近のバンドのボーカルは、唄い方や声の使い方に独特の強い癖がある人が目立つ中を、今時こんなに「そのまんま」に唄う曲を聴くことすら久々だ。 真っ直ぐさが、とても新鮮に感じられる。

ティーン・エイジャーだった頃には、頑なにテレビ出演を拒むオフ・コースに、自分の中にある大人社会への苛立ちとか矛盾に対する反抗心を重ね合わせるようにして、小田さんの唄を聴いていた。 今の小田さんはテレビという媒体を利用して、若いアーティストと一緒に何かを作り出すことを楽しんだり、あの頃活躍したミュージシャンや名曲を今の世代に紹介したりしている。 何か厄介な物が自分の立場を脅かそうとする時に、自分が懐を広げてそれを包み込んでしまうことで、逆に自分に有利なツールとして活用できる可能性があることを、生(なま)で見せてもらっているような気分で、とても参考になる。 年齢を重ねるということは、懐を広げることに役立つのだろう。 小さなことに拘らなくなることは、イコール、ある程度は許せるということでもあり、その包容力こそが武器なのかもしれないし。

小田さんの唄は、まるでアイソトニック飲料のCMではないけれど「すーっと染み込んでくる」ようだった。 例えば心が相当シビアなダメージを受けて殻を閉ざしてしまった時でさえも、それだけは受け入れられそうな気がした。

食欲が無くても食べられそうな焼き鳥と、心がダメージを受けても受け入れられそうな小田さんの唄と、全然ジャンル違いなのに大好きなものが二つ重なって、そういうものの存在になんだか凄く感謝したくなった妙な感覚の夜は、なかなか寝付けなかった。 


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コメント

ども^^はじめまして。
TB、あ~~~~~~~~~ざしたっ!!!

小田さんもすごいよかったですが・・・
ここを読んで焼き鳥が急に食べたくなってきましたww

投稿: 貴文 | 2006.12.30 10:24

貴文さん、こんにちは。
ふふふ、焼き鳥の罠にかかりましたね。

こちらこそTBありがとうございました!
どうぞ今後ともよろしゅうに・・。

投稿: リーボー | 2006.12.30 11:00

はじめまして NANAと申します。
TBありがとうございました(^_^)

素晴らしかったですね 粉雪。
何気なくつけたテレビから流れてきたあの歌声に
釘付けでした。
とても得した気分です。

投稿: NANA | 2006.12.30 19:17

トラバ返しありがとうございます。

小田さんのソロ活動のテーマは「基本的にYES」だそうです。でも、そのYESも、音楽的には一切妥協のないYESだからこそ、「クリスマスの約束」になったんだと思います。

投稿: SHIN | 2006.12.30 19:46

>NANAさん、おいでくださってありがとうございます。
・・私も釘付けでした。
素敵なクリスマスのプレゼントになりましたね!
歌って唄う人によってずいぶん違う作品になって、興味深いです。

>SHINさん、こんばんは。
そうですね、「音楽について妥協しない・できない部分」こそが「小田さん」なのでしょう。 でも、失礼なのを承知で書けば、ちょっとだけいい加減な小田さんも見てみたい気がするなぁ。 なんて、贅沢な我侭ですね。


投稿: リーボー | 2006.12.30 22:58

こんばんわ。「クリスマスの約束」、バタークリームのケーキ、ではありませんでしたがワインを飲みながら見ました。昨年(2005)の時は小田さんが走り回っていた気がするのですが今年(2006)は何かとても静かだったような気がします。「いきものがかり」というバンドでしたっけ?「SAKURA」を小田さんと一緒に歌っているのがよかったなあ。スキマスイッチなど、若い人と積極的に絡んでいく小田さんをみて自分ももっと若い世代にアピールしようと今年の目標に決めました。ところで私は「クリスマスの約束」の初期の方が良かった感じがします。収録会場(何処だかわかりませんが)が初期の頃は小さくてこじんまりした感じが良かったのですがここ数年は大きな会場の気がします。コンサート(表現古っ!)の様でそれはそれで良いのですが初期の誰もゲストに呼べなかったあのころが懐かしい感じがしています。りーぼーさんはどう感じます?

投稿: 横浜で昔働いていました | 2007.01.05 19:39

「横浜で昔働いていました」さん、こんばんは。
遅ればせながら、今年もどうぞよろしくお願いします。

番組のお供はバタークリームのケーキではなかったんですね。 ちょっと残念・・でも、ワイン飲みながら、っていうのも素敵だなあ。 絵になりそうです。 古くからのファンは、オフ・コースと言えばやっぱりワインですからね!(笑)

ああ、コメント読ませていただきながら思い出していました。 呼んでもゲストが来てくれなかった頃の事。 番組見ながら、「クリスマスに恋人がいない寂しさって、こんな感じかな」なんて情景を重ねていたことが懐かしいです。

個人的には、私はどちらかと言えば今の形態の方が好きなんですよ。 やっぱり若い方々と歩み寄る為には、自分を開けっぴろげにして、オープンな感じを醸し出して、相手側から見た敷居を低くしてあげないと難しい気がしますが、それを私はあの番組から学んだような気がするのです。 それは、小田さんにとっては同時に「いろんなお客さんに興味を持ってもらうこと」にも繋がっているんじゃないかと。 つまり、小田さんの固定ファン以外にも敷居を低くしたり、たくさんの人に気軽に足を運んでもらえるようにしたり、ゲストを目的にしたファンにも来てもらったり、というようなことでしょうか。

自分自身がそうですが、年齢を重ねるにつれ、どうしても視野が狭くなったり、「解ってくれる人にだけ伝われば良いや」みたいな考え方になりがちで。 それなら「楽」なんです。 ただ、そのスパイラルにはまると、どんどん自分の首を絞めることに繋がってゆくような気がしまして。 多少「無理」をしてでも、価値観が違ってもパワフルな若い世代に自分から近付いてゆくことが大切だと、そんな風に考えるようになったんですね。 それによって自分が何かにインスパイアされたり出来たら良いな、と。

小田さんが大きな会場で、あんな風にオープンに番組収録をしてくれていることは、ある意味において、とても良い見本なんです、私にとっては。 還暦の小田さんに比べたら、もっと私には出来ることが在るはずだ、みたいな気分です。 だから、あんまり気にはならないですかね。

横浜の関内のテクニクス・ショールームの片隅で、生ギターだけで演っていたジ・オフ・コースが、新宿厚生年金でやるようになって、やがて武道館まで何日も連続講演して・・そんな様子に何かをダブらせながら見ています。

これは多分の仮説ですけれど、やっぱり若い人達にアプローチするには、余計なエネルギーが必要ですから、いつか自分の年齢が追いつかなくなるときが来るんだと思うんですよ。 その時を自分が自覚したら、小田さんもきっと、小さな会場に移してこじんまりとアットホームにやるんじゃないでしょうか。 いや、彼のことだから、あっさりと身を引いてしまうかもしれないなぁ・・。(笑)

お返事になってますか? あまり自信がないけれど。 気が向いた時にでも、また感想を寄せていただけたら嬉しいです。

投稿: リーボー | 2007.01.05 20:29

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