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2007.01.21

少なくても美味しいものを

隣の市で興味深いテーマのイベントがあったので足を運んでみたが、思いっきり、と言うか、内心「やっぱり」と思うほどチャチな企画で、がっくり肩を落とした。 このまま引き下がって寒い家に帰っても、がっくり気分のままダラダラと過ごしてしまいそうで悔しいので、足を延ばして某有名な蕎麦屋へ行ってみることに。

このお店は、『ますたあ』の記憶によると、私たちは二回トライしているのに、まだ食べられたことがなく(一度目は住宅地に迷い込んだ挙句一方通行に阻まれて到達できず、二度目は夜で営業時間が終わってしまっていた。)、三度目のリベンジになる。 遅めの時間とは言え、土曜日のお昼時なので混雑は覚悟の上だ。

運良く駐車場から出てゆく車があってタイミング良く停められた。 見れば他県ナンバーが殆どだし、中には北九州ナンバーまで。 それもBMBだのベンツだのレクサスだのプリウスだの・・ウチの可愛いルノーは恐縮してしまいそうな顔ぶれである。 いやはや世の中こんなに景気が良いのなら、日銀さんも昨日利上げするべきだったんじゃないか、なんて、軽口も飛び出しながら店内へ。 予想通り混み合ってはいたものの、お蕎麦なので客の回転が早くてありがたい。 「以前ウチに泊まったお客さんからの情報だと、『高くてちょっぴり』らしいよ。」

メニューを見ると、確かに蕎麦屋としては高めの値段設定だ。 魅力的なメニューはたくさんあって目移りしたが、ここは実力を見せていただこうと、あえてシンプルな「せいろ蕎麦」を選ぶ。 二枚頼んで、『ますたあ』の「あなご天麩羅せいろ蕎麦」と合わせて、それぞれ一枚半いただく目論見に。

これが、多分私の人生でベスト3に間違いなくランク・インするであろう、すばらしく美味しいお蕎麦だった! 茹で加減も、蕎麦の香りも味も、つゆの具合も、薬味も、蕎麦湯も上出来で文句の付けようが無い。 おまけに『ますたあ』の頼んだ天麩羅も上々で、都内のお座敷天麩羅の老舗の味を上回る出来だと感じた。 調理上の細やかな仕事も職人気質的で申し分無い。

確かに量は多くは無いが、滅茶苦茶に少ないというほどでもなく、こだわりのあるお蕎麦屋さんにはありがちの範囲内。 外食で、久しぶりに心から美味しいと思えるものに出会えた満足感で満たされたので、足りないという印象ではなかった。 例えば、その後でくだらないものを食べてしまうのが悔しい、というくらいの感覚だったのだ。

若い頃はたくさん食べられたし、食欲も今より旺盛だったから、完璧な美味しさでなくてもたっぷり食べられれば満足できていた。 でも、このところは「量より質」で、ある程度少なくても高くても良いから美味しいものを食べたいと、思うようになってきている。 自分がこんな風に外食に対する見方が変化してくるなんて、想像もしていなかったのだが。

B級グルメ的な食事には、今でもちゃんと魅力を感じるし、そういう分野にはそういう基準の美味しさが存在するので、今書いていることとはジャンル違いなのだが、A級を名乗っておきながら儲け主義に走る「エセA級」ばかりが最近目立っているような気がして、そういう食事を摂ると非常に悔しいし満たされない。

我侭なのか贅沢なのか、微妙なところだが、私もついにそんな発想で食事をするようになったかと、自分の変化を少々持て余し気味なのである。

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