どんな顔して
去年の暮れに高校時代の部活動のOB会が催され、会場で写したスナップショットを友人が送ってくれた。 実は同期の部員で卒業まで一緒だった7人のメンバーの中に、ひとり、俗に「芸能人」と呼ばれる職業に就いている者がいて、その人を囲むようにみんなで写っている写真だ。(部活動の性質上、職業でテレビに出演している者がそこそこ含まれていて、会場となった某ホテルの職員から物珍しげに尋ねられたりしたのだが・・。)
当たり前だが、いくら相手の顔が割れていても、こちらの感覚では同期で一緒にバカをやった昔のままなので、その間には大きなギャップが存在して、「変な感じ」である。 私はその人が出演しているテレビは、まともに見たことが無い。 果たして一体どんな顔をして見ていれば良いのか解らなくなって、勝手に疲れてしまうのである。 あの番組はこうだったとか、素人が批評めいたことを考えるのも失礼だし、職業として出演しているその人のことを思うと、ハードスケジュールで大変だなあ、とかも思うし、要するに冷静・客観的に楽しめないのだ。 だから、視聴率に寄与しないのは申し訳ないが、はなっからチャンネルを合わせない。 事情を知っている友人は「リーボーは気を遣いすぎる」と言うが、本人にしてみれば、決して気を遣っている訳ではなくて、照れ隠しみたいな感覚なのだ。 人見知りする年齢の子供が、知らない大人に何かを尋ねられると、母親の後ろに隠れてしまう・・あの感じに近い。
改めて写真をちゃんと見ると、当然ながらみんなそれぞれにオジサン・オバサンの域に入っている。 それぞれに仕事があり、家庭があり、暮らしがある。 その中でテレビに映される職業に就いている一部の人は、「有名人」と呼ばれる。 職業上公人な意味が含まれているだけで、普段に私人なのは同じだ。 この紙一重状態が、なんとも不思議で妙で、どう扱ったらいいのか迷う理由なのだろう。 私の中で、仲間の公人と私人がマーブル模様の様に混沌と混じっていて区別できない。
なんでもないスナップショットに過ぎないのだけれど、これもなんだか真正面から見るのが気恥ずかしくて、封筒にしまいこんだ。
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コメント
それって、すご~~くわかります。
同感です。
私の場合はその「変な感じ」をもてあまして、妙にふざけたりいつもはしないことをやってはしゃぎまわって叱られる子どものような感じです。
なんで立体的なんだろう・・・と、とても不思議の思いました。
投稿: かおる | 2007.01.13 18:14
かおるさん、こんばんは。
>なんで立体的なんだろう・・・
↑そうそう、そうなんですよ!
ちょっと前にアキバ系の男の子が、「二次元の女の子にしか興味がないんです」と、インタビューに答えていた場面をどこかで見まして、「二次元に描かれた人間と三次元の普通の実物人間を同列で比べられる感覚」が理解できなかったのですが、あのOB会に行き、私も「あっ、三次元の○○さんだ!」と真っ先に思って以来、なんとなく理解が深まったような気がしています。
なんか照れくさい感じなんですよね。 ふふふ。
投稿: リーボー | 2007.01.14 20:15