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2007.03.04

酔拳じゃないんだから

どうも酔っぱらった状態で作る料理は出来が良いような気がする。

ペンションのバー・カウンターが稼動していた頃、私は良くお客様と一緒になって飲んでいた。 そこそこのアルコールなら顔に出ない体質だし、接客中という緊張感も(一応は)あるので、「いかにも酔ってまーす」というへロンヘロンの状態になることはなかった(と思う)が。 お酒を飲むお客様というのは同席している人が飲んでいないと、「自分ばかり楽しんで申し訳ないな」と気を遣う方も多く、『ますたあ』にお酒を勧めてくださったりする。 ありがたいことには違いないのだが、仕事上はちょっと困ったりもするので、私が『ますたあ』の分も引き受けてありがたく頂戴することにしていたのだ。 お客様のおつまみリクエストに応えて、ほろ酔いの状態で厨房に戻り、さささっと何か用意してラウンジに戻る、そんなことが多かった。

予め用意しておけるものなら切って盛り付ければオーケイだが、お酒が進むにつれて深夜になり、なにかガッツリしたものが食べたくなるお客様もそこそこに居られる。 と、なると、酔った頭でこちらも冷蔵庫の中身と相談しながら、そこそこに調理をしなくてはならない。 そんな時に作る『ありあわせの一品』にスマッシュ・ヒットが出ることがあるのだ。

酔っている時は基本的に抑制が解かれているらしいので、作る料理も調理作業も大胆になる。 繊細に計算したりしないから、「まっ、こんなもんでしょ!」なんて言いながら、調味料の分量も火加減も、多分しらふの時と比べたらかなりダイナミックのはずである。 良く「男の料理は美味い」という話を聞くが、それに近いことが起こっているのかも知れない。 例えばステーキ肉を焼くような時には、びくびくと弱火で焼いているよりも、がっーっと強火で焼く方が格段に美味しいように。

夜が白々と明ける頃には、こちらもそこそこに酔っぱらうので、ただひたすらに包丁で怪我をしないように、衛生的に問題がないように、とだけ気をつけて、もう何がなんだかよく判らない状態で作っていたりもして。 そんな時に出したものがお客様に大受けで、次に泊まりに来てくださった時に「またアレが食べたい」と言われても、もう再現不可能だったりする。

海外の料理番組のように、放っておいたらキッチンでグラスを傾けながら料理するタイプの人間なんじゃないかと、自分では思っているのだが、中毒になるのも怖いし、他の用事もそこそこあったりして、普段はしっかりとしらふで作っているから、どうぞご心配なく。 お客様相手に酔っぱらって調理する機会が無くなってしまった今、日を決めてたまには新境地開拓のために、レンジの前で飲みながら作ってみるのも良いかも知れない、なんて、ちょっと考えたりするのだ。

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コメント

酒を飲みながら作る外国の料理番組。

子供の頃グラハムカーがかっこよくみえたもので、思わず彼のキャラクターのお玉を買ったら家族に笑われました。へんな子って。

そんな彼も、すっかり今では減油料理つくっていますが、それでもお酒は飲んでるなぁ。

そういえば日本の板前さんはストイックな感じですよね。清潔なカチッとした感じが好印象っていうか。(そうじゃない方もいるのでしょうが)

キッチンでお酒を飲むと頭の中に「キッチンドランカー」という危険な響きがただよってきて私もさすがにそれはしません。あまり強くないのも理由ですが。

酔うと料理が上手になる、、た、試してみようかな。

投稿: kumi | 2007.03.05 16:00

kumiさん、こんばんは。
>グラハム・カーのキャラクターのお玉
!!すごーい!そんなものがあったのですか?!驚きました。 見てみたいものです。(実は結構欲しいかも・・笑)

アメリカの番組では、ホスト役の人がお酒を飲みながら、っていうパターンをそこそこ見ますよね。 日本であれが似合うのは、やしきたかじん氏くらいかなぁ。 ちょっと前まで、深夜にみのもんた氏がゲストと飲みながらトークする番組がありましたが、様になり具合が「んー、いまいち・・」という印象で、ちょっと残念でした。(どちらかと言うと、単なる酔っ払いのオヤジ化していた感じで・・失礼。)

夏場はビール缶を傍に置いて、キッチンに立つこともそこそこあるかなあ。 多分、根の部分が酒好きなのだと思いますが、日があるうちに飲むビールって格別です。

ほろ酔いでの包丁使いは、くれぐれも怪我に気をつけてくださいね!

投稿: リーボー | 2007.03.05 22:54

実際にお酒飲んでたか覚えていませんが、もうなくなった金子信雄氏はなんだか酔っ払っていたような気が。。(たぶん、1回2回は料理酒をのんでいたとおもう)私は結構、彼の料理番組がすきでした。

そうなんです。グラハムカーのキッチンツールがあったのですよ!小学校3年のときですが。。でも、本当にほしかったのは当時番組中で「優れもの」とグラハムカーがいっていた「溶かしバター用の鍋」。今考えると、それを入手してどうしようっておもっていたんだろう?とおもうのですがすごくほしかったのを覚えています。(苦笑)

すくなくとも、そんなマニアックな鍋は近所のデパートにはありませんでした。

投稿: kumi | 2007.03.07 01:21

覚えていますよ、と言うか、思い出しました。 確かに金子信雄氏は、間違いなく飲んでいましたね。 料理が完成すると、『出来上がりの映像』がズームのカメラワークで写されるんですが、そこに必ず日本酒の五合瓶が一緒に写り込んでいましたもの。 特定の醸造会社とスポンサー契約でもしていたんでしょうか? ほろ酔いのオッチャンが若くて従順なアシスタントの女性を、(そんなつもりはないのだろうが)いじくっているといった印象でしたね、あの料理番組は。 ああいうタイプのオッチャン、嫌いじゃないので、わたしも好きで見ていましたが、アシスタント役の方は精神的に大変だったんじゃないかと思います。

道場六三郎氏も、たまに「あれっ?呑んでません?」という時があるような・・。

グラハム・カーのキッチン・ツールには、色々なアイテムがあったっぽいですね。 わたしの中ではますます気になっています。 どこかで見れないかな~。 ネットで探していますが、残念ながら今のところ見つかっていません。 「溶かしバター用の鍋」・・そのコアな感じが、そそられます!

投稿: リーボー | 2007.03.07 16:25

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