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2007.03.05

サプリメント

多分、有資格者としての意見を期待されてのことだろうと思うが、結構な頻度で「○○のサプリメントはどう?」、と、聞かれる。 この「どう?」はなかなか曲者の問いかけで、相手がどんな内容を求めているのか判断しなくてはならないから、こちらも一瞬戸惑う。 「『どう?』ってどういうことで?」と質問させてもらうと、大抵は誰それさんが飲み始めたら調子が良いというので、自分も試そうかと思うが迷っている、といった状況が多い気がする。 こんな時の私の答えは大抵、「興味があるなら試してみたら? で、一週間続けて何も変化がなかったら止めればいいんだし。」だ。

サプリメントも薬も同じだが、何がその人に効くかは実際に使ってみないと評価できない。 しかも、それは一人一人微妙に違っていて、例えば同一成分の薬であっても、A社の製品は効かないのにB社のものは効く、なんていう事が臨床では普通に起こり得る。 医家向けの薬ならそれを処方した主治医が効果を評価することになるので、患者も自覚的に効き目を感じているかどうか、ちゃんと話せば良い。 それ式に考えると、サプリメントや市販薬の類は、飲んだり使ったりした本人が効き目の評価もしなくてはならないのは当然のことである。 他人が使って効いたものが自分にも有効かどうかは、実際に使ってみなくては判らないのだ。

仕事が忙しいシーズンには徹夜に近い状況が続いていたので、『ますたあ』や私も栄養ドリンクを事前に用意していたが、そんなものでも『ますたあ』に効くものと私に効くものは違っていた。 それも金額の問題ではなく、10本600円台で買って来た激安ドリンクでも、効くものは効くのである。 同様に私達は風邪薬も胃腸薬も鎮痛剤もそれぞれ自分に向いたものを使い分けている。

今朝の新聞にコーワから新しく売り出された「パニオンコーワ錠」の大きな広告が出ていた。 売り文句の主成分は医家向けから市販薬に初めてスイッチされたATPである。(・・さあ生物の時間を思い出してください。 人は細胞内のミトコンドリアでクエン酸サイクルを回し、その過程から取り出したATPつまりアデノシン3リン酸を生命エネルギーとして利用しているのでした、よね。) 市販薬のパニオンにはATPにビタミンB群を添加してエネルギー代謝改善剤として売り出されたようだ。 指定された一日量を内服して60mgのATPを摂取できるとのこと。

実は私の耳鼻科の主治医は、私に持病である内耳疾患の発作が起きると、医科向けのATP製剤を処方していた。 こちらは「アデホスコーワ」という名前だが、一日量にして3g・・つまりパニオンの50倍量。 しかし、残念ながらそれだけの量を飲んでいたにも拘らず、耳の発作と同時に常日頃から私の体に起きていた肩こりも霜焼けも疲労感に対しても、何ら改善への良い影響を及ぼさなかったのである。 つまり、私の体には効かなかったのだ。 もちろん主治医に相談の上アデホスの内服は中止された。 そんな経緯があるから、どんなに広告を見てもパニオンは買わない。 だからと言って、決して誰にも効かないということではなく、効く人には効くのだろうと思う。 だからこそ承認されたのだと思いたい。 一般向けのスイッチ薬といっても、それだけでは誰にでも効く理由にはならないことを示す例になると思う。

経済的状況が許されるのであれば、とりあえず試してみて、もし効果が感じられないのであれば、漫然と飲み続けるのは避けるべきだろう。 摂れば摂る程よい、という種類のものではない。 サプリメントと言えども飲み合わせで弊害が起こるケースもあるから、しっかりと知識のある人に相談して、多少面倒くさくてもちゃんと心して、サプリメントとの付き合いをするべきだと思う。 だって他でもない自分の体なんだから。

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