初夏
すっかり初夏の陽射し。 九州からはるばる届いたという初物の枝豆を茹でて、初鰹のたたきなんぞを食卓に並べると、一気に夏の雰囲気になる。 ビールを冷やしておいて良かった。 蝉が鳴いたり、ケラが鳴いたり。 多分、この連休を利用して、国道沿いに水田を持つご近所の兼業農家の皆さんは、田植えに忙しいことになっているはずで、遠くの方から微かにケロケロと甲高いカエルの声も響いている。
新茶を丁寧に淹れて、午後のお茶。 湯飲み茶碗の中にも、窓の外の緑を切り取ってきたような、穏やかな緑色。 なんだか季節をそのまんま飲んでいるような気分だった。
目からも耳からも鼻からも、皮膚からも口からも、初夏が体に入ってゆく。 それらが全部血となり肉になって、体が夏向きの仕様に変わってゆくのが判る。 心だけは風に煽られて、もうとっくに空を飛んでいるのかもしれない。 まるで、鯉のぼりみたいに。
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