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2007.06.18

ツッコミの技術

みみずくが穏やかにホウ・ホウと鳴いている、静かな夜だ。 彼等の鳴き声は「脱力系」で、あんまり必死になって鳴いているとは聞こえないので、「のんびりやりましょうよ」と、まるで諭されているような気分になる。 まあ、同じ鳴き声を聞いても、そこからどんなイメージを受け取るかは、人によって、置かれている状況によって様々なんだろうけれど。

今年もF1(フォーミュラー・ワン)のワールドシリーズが行なわれている(昨夜はアメリカグランプリだった)が、先週のカナダグランプリは、とても印象的だったのが記憶に新しい。 レース自体が荒れた感じで、派手なクラッシュ、多くの事故、完走したマシンの少なさも然ることながら、今までに無く新鮮な印象を受けたのが、解説者として片山右京氏と共に招かれていた、レーシング・ドライバーの脇阪寿一氏の存在だった。

何が凄いって、ツッコミの技術。 荒れたレースの中、マシン同士の板ばさみに合って行き場を失いコースアウトした車を見れば、すかさず「どこ行っとんねん!」、いきなりのエンジントラブルでスローダウンした車には「どないしたんや!」、原因不明の単独クラッシュには「何しとんねん!!」、競り合ったまま併走してカーブに突入する2台には、「どうすんねん?どないすんねん?!!」・・・と、実況アナウンサーが何か言い始める前にスパッとツッコムのである。 大阪弁丸出しで、見た瞬間に適切なツッコミを入れるそのタイミングときたら、絶妙以外の何物でもない。 そのツッコミが数分に一度くらいの頻度で炸裂する。   おかげで、いつもは標準語のちょっと気取った感じで、「いかにもスポーツ中継です」みたいに淡々と進行してゆくF1中継が、まるで野球ナイターの副音声で芸能人のオチャラケ解説を聞いているみたいになり、こちらは何度も吹き出してしまった。

大阪人にとっては、ツッコミはきっと「反射」の世界なんだろうなあ。 頭で考えなくても、見た瞬間にツッコンでいるに違いない。 こりゃあ東京人が勝てる筈無いや、と、なんだか判らないが舌を巻きながら録画を再生していた。

これには「スポーツ中継としてはどうよ?」とか「解説と言えるのか?」といった批判も避けられないかもしれないが(たしかに解説者としての脇阪氏は、中継にとってあまり役立っていなかったような気がする・・)、個人的には非常にウケて気に入った。 とくに今回のカナダグランプリのように、何が起こるかわからない荒れた展開には、結果として良くマッチしていたと思った。

機会があれば、もう一度くらい脇阪氏を解説に呼んでもらいたいものだ。 いや、解説者としてではなくツッコミ役としてその居場所を用意しても良いくらいだと、私は思っている。

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