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2007.09.29

裏に居るプロ

やっと髪を切った。 気になっていたので、すっきりした気分だ。

ここ数年、ずっと私が信頼して任せている理容師さんは車好きで、それもお気に入りは某外車のオープンカーときている。 「オープンカーに乗っている自分がかっこ悪いのは許せない」とのポリシーで、せっせとジムに通って無駄を削ぎ落とした体つきを維持し、月に一度は東京で洋服屋さん巡りをする。 もうすぐ50近いというのにクラブで顔が通るし、まったくもって年齢不詳系の恐るべきミドルなのだ。

外車のディーラーさんやチューンナップ系のお店情報もさすがに詳しくて、髪を切りながらの話題も、そちら方面に傾くことが多い。 私の知らない世界なので、「へぇー」と聞かせてもらっているのは面白い。

チューンナップを依頼し、車のオーナーと共に「自分の車を作り上げてゆくお店」は、口コミで集客している場合が多いらしいが、その理容師さんが付き合っているチューンナップ屋さんのオーナーが、最近2000万円もするオープンカーを新車購入したとのこと。 「お金持ちだなあ。 そんなに儲かるものなんですか?」、と、怪しむ私に、「それがね、俺も『お前、何でそんなにお金貯められたんだ?!』って聞いたら、裏があったんですよ。」 「裏、ですか?」 ますます怪しい話だ。

なんでも、そのチューンナップ屋さんのオーナー、ちょっとした発明をしたらしい。 それは走行速度が時速100キロを超えると、ナンバープレートが自動的に水平に跳ね上げられる仕組みとのこと。 スピード超過の証拠写真を撮ろうとしても、ナンバープレートが写らない。 「見せてもらったら、それが絶妙に良くできてるんですよ。 高速道路ですぐ前をそいつの車に走ってもらって、付いていったんです。 そうしたら100キロになった途端、ピタッて跳ね上がる。 95キロでも105キロでもなく、100キロジャストなんで、驚いちゃったんですけどね。」 「IC制御とかじゃない訳でしょう?」 「全然。 バネとか使ってせこい手作りの仕掛けですよ。」 「車によって空力の状態が違うから、同じ物を同じにくっ付けただけじゃ、そうはいかないでしょう? どうなっているんですか?」 「そこがそいつの凄い所で、ほとんどの車種の状況を把握しちゃってるんですよね。 『こんなもんかな~』なんてやっただけで、ほぼぴったり。 で、その評判がだんだん広まってきて、ひと稼ぎしちゃったらしいんです。 凄いけど変なやつでしょう?」 「そんなもので、2000万のオープンカーですか・・。」 「言うなれば、ちょっとした思いつきと、そいつの腕だけですよ。 材料費なんてほとんどかかっていないんだから。」

ある意味においては、プロの仕事とも言えるのかもしれない。 以前から何度も「見せ締め」で、警察に取り締まられているらしいが、しぶとくチューンナップ店の経営を続け、口コミで評判が全国に広まっているとのこと。 一発当てた背景には、熱意と根性もありそうだ。

久し振りに景気の良い明るい話だと思ったら、そんな商売かい、と、苦笑する反面、そのプロ根性と技術に脱帽しつつ、私の知らない世界の話を面白く聞いていた。

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