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2007.09.10

とある初秋の日に

台風が去ったら、ススキが一斉に金色の穂を出した。 昼間は蝉の声が響き、朝夕は秋の虫が賑やかで、季節がマーブル模様に交錯している。 昔、どこかで何かの機会に「9月を色に例えると?」との質問を受け、アンバーと答えた記憶が、何の脈絡もなく蘇ってきた。 いったい誰がそんな質問をしたんだろう? 記憶がすっぽ抜けていて、思い出せない。 丁寧に寝かされたシングルモルトの水割りが恋しい季節。 あー気の利いたバーに行きたい・・、と、無い物ねだりの山暮らしである。

買ってきたバナナ、まだ軸が緑っぽい色だったので油断していたら、あっという間にスイートスポットが。 なかなか甘味が強くてしっかりしたバナナになったので、ふと思いつきで「砂糖を入れないゼリー」を作ってみた。 ゼラチン液にちょっとレモン汁、香り付けに金木犀酒をたらして、細かめに切ったたっぷりのバナナを固める。 ただそれだけのこと。 甘味は全面的にバナナに頼って、砂糖も蜂蜜も使わない。 ゼラチン液がさらさらの内にバナナを入れると、流し入れた器の表面にバナナが浮き上がってしまい量が入らないので、とろんとするまで冷やしてからバナナを混ぜ込み、器の底までたっぷりとバナナが入っている状態にした。

昔と違って精製技術が進歩したのか、今の製品はゼラチンの匂いがほとんどしない。 あれを嫌って「ゼリーが食べられない」という友達も確かに居たが、気にならなかった私には懐かしい香りのひとつに記憶されている。 コーヒーなど香りの強い素材でゼリーを固めても、ちゃんとゼラチン臭かったっけ・・実家の母が手作りしてくれたおやつの、懐かしい記憶でもある。

手術を受けてから少し食べ物の好みが変わったようで、体が甘いものを全く欲しなくなった。 カボチャやサツマイモ、果物など素材そのものの甘さは受け入れるのに、お菓子や甘い飲み物には触手が伸びないのだ。 別に食べないからといって困るものでもないけれど、自分で自分を不思議がっている感じ。 多分、また寒い季節になったら、何食わぬ顔で甘いココアなどを啜っているんだろうな。 時間の問題だろうと思っている。

砂糖抜きのバナナゼリーには、図らずもゼラチンの懐かしい匂いがちょっとだけ感じられて、面白い出来上がりになっていた。 さっぱりして夏向きの味。 もっと真夏に作っても良かったのかも知れない。

雨の晴れ間をぬって、暑さと手術からの回復を理由にサボっていたウォーキングを再開してみた。 びっくりするほどに体が軽くて息も上がらない。 根本にあった貧血が改善されると、こんなにも違うものかと内心驚き怪しむほど。 体は案外、この状況に順調に適応しているように思えて、俄かに心強い気持ちになった。 ありがたいな。 

ちゃんと体も動かしたし、今夜も美味しいビールが飲めそうだ。

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