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2007.09.15

戒め

炊き上がったごはんをよそう「しゃもじ」に残った米粒を指先で摘みながら、ああ、そんなこともあったな、と、思い出していたのは、「○○のような顔になる」という類の戒めの言葉だ。

子供の頃は料理道具と食事道具の区別がつきにくいので、母と一緒にキッチン(というよりも台所の方が相応しい感じ。)に居ると、よく言われていた。 「しゃもじから直に食べると、しゃもじのような顔になりますよ。」 真面目に考えてみると、「しゃもじのような顔」というのがいったいどんな顔なのか、実は理解していなかったりするのだけれど、子供ながらに崎陽軒のシウマイの箱に入っていた醤油入れの『ひょうちゃん』のイメージを重ね合わせて、「そりゃあ大変だ」と思っていた記憶がある。

かつて何人かの友人と話していて、ついそんな話題になったことがあった。 それで判ったのは、「○○の顔」の例えは家によってばらばらだということだ。 ある友人は「お玉から食べると、お玉のような顔になる」、と、言われて育ち、別の友人は「菜箸で食べると顔が菜箸のように長くなる」、と、脅されていた。 驚いたことには、また別の友人は「お鍋から食べると、お鍋のような顔になる」、と、言われていたことで、さすがにこの時ばかりは一斉に、「お鍋のような顔って?!」、と、ツッコミの集中砲火を浴びていた。

綿密に調べてゆけば地域色が現れそうだ。 時代によっても変化していそうだし。 今でも子供に言っているママは居られるだろうか。 幼いうちから現実的な感覚を身につけている子供が多そうなので、通じないかもしれないな。 あの頃は、戒めの言葉ひとつにも夢があったように思えて、懐かしく思い出していた。

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