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2007.09.20

猫と酒飲みの気持ち

『ますたあ』と買い物に出かけた途中、ランチ営業もしている居酒屋さんで昼食を摂った。 昼間からやけに威勢の良いオネーサンが、「いらっしゃいませ~!!」と、大きな声で迎えてくれる。 ちょっとした刺身や揚げ物、小鉢などがセットになっている定食を注文し、手持ち無沙汰でメニューを見ていると、私の内心を見抜いたように『ますたあ』が言う。 「ここならきっと回転してるから、頼めば?」 田舎では人口そのものが少ないので、居酒屋も繁盛している店を選ばないと、新しくない材料や冷凍物を使っていることも多い。 なので、当然生ビールだって下手な店で頼むと、「これなら瓶ビールにしておくんだった」と、後悔することになりかねないのである。 つまり、『ますたあ』の言う「回転」は、樽の中身のことだ。

では、お言葉に甘えて・・と、カウンターの奥で忙しそうにしているオネーサンの所へ。 「生ビール、中ジョッキでひとつ、追加してもらえますか。」 すると、また、やけに威勢良く元気いっぱいの発声で、「はぁい! 生ビールひとつ入ります!!」 思いっきり店中に響き渡った。 いや、居酒屋さんの姿勢としては、間違っていないとは思うんですよ、はい。 夜になったら店内もざわざわうるさいだろうし、店員さんの威勢が良い方が盛り上がってオーダーもたくさん入るだろうし。 だけど、今はまだ13時で、お客さんも静か目に会話を楽しむ主婦がほとんどだし、わざわざ私もあんまり目立たないようにこっそりとカウンターまで来て注文したんですし、そんなにことを大っぴらにしなくても・・・。 と、苦笑。

昼間のお酒は、心の中でちょっとだけ負い目を背負いつつ飲むのが、オツなところでもあり、美味しさの源のひとつでもあるように思う。 食事を用意してもらった猫が、わざわざ部屋の隅っこに運んで背中を向けるようにして、こっそりと、でも満足げに食べている時の気持ちが、少し解ったような気がした。

生ビールはちゃんと回転していたと見えて、上出来だった。 ご馳走さま。 

 

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