珍しく、本のおすすめ
戦争や殺人事件のニュースを見聞きする度に、いつも内容が頭の中に蘇ってくる一冊の本がある。
コンラート・ローレンツ著 「攻撃」。
著者の紹介や要約は、みすず書房さんのこちらの頁に詳しいので、興味のある方はどうぞ。
初めて読んだのは中学3年の時。 当時の理科(今は生活科なのか)担当の教諭が勧めてくれた。 文章は難しくなく、専門用語も出てこないから(これは訳している日高敏隆氏の力量のおかげだと思うが。)通読できた覚えがある。 大学入試の際の二次面接でも、この本の話題を持ち出したのが記憶に新しい。 その後、いじめの問題や湾岸戦争、イランとイラクをはじめとする中東の問題、そして、9・11事件などなど、事ある度に「そういえば、あの本にあんなことが書いてあったな」、と、思い出して、何年かに一度、何度も読み返している。 こんなに繰り返して読んでいる本は、自分としてはとても珍しい存在だ。
全ての動物が本能として持っている、同種の他者に対する攻撃性について、簡潔な文章で、深い洞察を与えてくれる。
その分野ではそこそこ有名な本らしいので、地域の図書館でもたいてい扱いがあるようだ。 今まで私が引っ越した先の図書館で、置いていない所は無かった。 小説や随筆とは違うので、独特の硬さは否めないものの、決して読みにくい本ではない。
秋の夜長に、たまには毛色の違う分野の読書を・・と、お考えの方があれば、是非おすすめしたい。
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