« 洗濯日和 | トップページ | 口癖 その2 »

2007.10.29

口癖

多分年に一度くらいの頻度で関電工の職員がやって来て、電線に届いて引っかかってしまいそうな庭木の高い枝を枝落とししていってくれる。 ゴンドラ付きの高所作業車で乗りつけ、バサバサとチェンソーで切ってくれるから結構大掛かりで、数人のチームを組んで作業しているようだ。

玄関のチャイムを鳴らして、「関電工ですが、今から作業をします」みたいな事を挨拶に来てくれるのも恒例なら、言いに来てくれる人も毎回同じ人である。 残念ながら私は彼の顔を覚えているわけではない。 では、どうして同じ人であると思い出せるかといえば、内側から私がドアを開けた瞬間に、必ず「ああ、びっくりした!」と、特別驚いた風でもないのにサラリと言う、その口癖である。 「ああ、びっくりした!」の言葉と、その人の状態のギャップを怪訝に思うを瞬間に、「あっ、この人、去年も同じこと言ってた」、と、思い出す。 で、「前回だけじゃないな、その前も、その前もそう言われたな。」・・こうなると芋蔓式。

作業の説明を型どおりにしてくれている間もずっと、私と視線を合わせようとはしないので、人慣れできないタイプのシャイな人なのだろうと思う。 他人の家の玄関でいきなりチャイムを押して無関係の他人を呼び出し、説明をしなければならないことは、彼にとって決して小さくないストレスなんだろう。 多分、それを誤魔化す為にわざと驚いたように見せる癖を身につけて、初対面の緊張を中和させているに違いない。

一日の内に何軒回るのか判らないが、毎日毎日、毎回毎回「ああ、びっくりした!」とサラリといっているのかと思うと、どこか滑稽でもあり切なくもある。 どんな仕事であれ、お金を稼ぐということはそれなりに大変なことだな、と、思った。 ストレスに押しつぶされてしまわなければいいが、などと、余計なことを考えた。 来年もまた、ある日ドアを開けた瞬間に「ああ、びっくりした!」と言ってみせてください。

|

« 洗濯日和 | トップページ | 口癖 その2 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 口癖:

« 洗濯日和 | トップページ | 口癖 その2 »