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2007.10.15

アケビとヒヨドリ

どこかの木の枝から細い蔓でぶら下がっている紫色のアケビの実が、ぱっくりと口を開いた。 実だけが空中で宙ぶらりんになっているような状態。

一羽のヒヨドリが目敏く見つけて食べようとしているのだが、留まる所がなくて、実の周りをぐるぐる旋回するように飛んでは、ちょっと離れた他の木の枝に留まって、まるで「困ったな」とでも言いたげな様子で首を傾げている。 ヒヨドリが留まるには、アケビの蔓は細すぎるようだし、実にしがみついてしまったら食べられないし、で。

そこへ、アケビを見つけた別のヒヨドリが近付いてきた。 ヒョー!!と甲高い威嚇の声を上げながら、「これは私のもの!!」とばかりに追い掛け回す。 しばらくの間、急旋回の追いかけっこが続き、二羽のばたばたした羽音と威嚇の鳴き声が、静かな山に響き渡る。

数分後、どうやら先に来ていたヒヨドリが食べる権利を守りきった様子。 でも、やっぱり留まる場所が無くて食べられないことに変わりは無くて、相変わらず実の周囲を旋回しては困り果てている。

なんだか平和な山の秋。 それをぼんやりと眺めていた私も、おっとりと平和だ。 ここではこんな調子で、おっとりと季節が進んでゆく。 何よりの贅沢なのかも知れないと、まるで他人事のように思う。

あのアケビ、最終的に誰が食べることになるんだろう?、と、はなから権利を放棄している人間が、ことの行方を面白がって見ている。 ・・神様って、もしかしたら、こんな感じで私たちのことを眺めているんだろうか。

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