この時期だけの贅沢
この時期は「霜にあたった野菜」が手に入る。 食材の多くには旬が存在するけれど、それとはちょっと違う意味で、霜にあたることも旬だな、と、思う。
ホウレンソウは背が伸びずに地面を這うような姿に育っているし、白菜は外側の葉やてっぺんが茶色く干からびたり、大根は葉っぱはゴワゴワだし地表に出ていた首の部分はシワシワだし、明らかにどれも見た目は落ちるが、その分だけ中身の方は格別になる。 味も香りも凝縮されている感じ。 甘みも驚くほど増していることが多い。 煮物などいつもの感覚で味醂を使ってしまうと、味見した時に修正を余儀なくされる位に、煮汁が甘くなっていたりする。 恐れ入りました、と、野菜の底力に感服。
寒さから身を守って春に花を咲かせるために、一生懸命蓄えているんだろう。 それをまた、寒い中で収穫してくれた人々のことも思って、益々、美味しく食べてあげなくちゃ申し訳ない、という気分になる。 スーパーで売られているものとは一味もふた味も違う、この時期だけの贅沢だ。
外面ではなく中身で勝負というところも、なんだか共感が持てて、ついつい贔屓してしまっているような気がするが。
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