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2008.03.03

「今が一番幸せ」

今日3月3日は実家の母の誕生日。 お節句に生まれたから「節子さん」、だそうだ。

何か気の利いたものでも届けてあげたいな、と思って、いろいろ考えてはみたものの、私が住んでいる田舎の山の中よりも、節子さんが暮らしている東京の方が、お店も多いし扱っている商品も各段に多い。 つまり彼女は自分が欲しいものを自分で選んで購入できる環境下にある訳で、尋ねてみても洋服などは「あなた、よかったら着てくれない?」というほど持っているし、デパ地下や新しく開店した美味しいお店などは、私よりずっと早く味見していて、「あそこは噂ほど美味しくなかったのよ」、などと教えてくれる始末である。

仕方がないので、節子さんが大好きなスイトピーの花束をネット通販で手配した。 いろいろな色の花がミックスされているものを。 花は自分の為にわざわざ買う機会がないだろう、と、踏んだのである。 ましてや父が気を利かして、プレゼントに花束を選ぶこともちょっと考えにくいので。

昼前に、早々にお礼と報告の電話が来た。 とても喜んでくれたようで、ひと安心。 こちらも贈った甲斐があったというものである。

「もう78歳よ。」 「早いね、そんなになっちゃった?」 「そうよ、あっという間。」 「色々あったでしょ?(笑)」 「(笑)色々あったわよ、本当に・・。」 ひとしきり笑った後で、母はこう続けた。 「でもね、今が一番幸せ。」

その一言を聞いた瞬間、なんだか急に私が泣きそうになった。 自分がかけた心配の数々を思い出したのも然ることながら、78年間も生きてきた上で、そう堂々と言える母の人生を尊敬したい気持ちが、一気に押し寄せてきた。

「よかったよね、そんな風に言えるってすごく素敵じゃない!」 「本当にありがたいことだと思ってるわ。」

今まではずっと「母と娘」の関係で、もちろんそれはこれからも覆ることはないのだけれど、最近になって一人ずつの女同士の会話が出来るようになってきたように感じている。 だから私の中では、母だけど「節子さん」だ。

今夜は節子さん直伝の「大根の煮物」。 私が幼い頃両親が選んでくれた雛人形にもお供えして、ほっこりとした滋味を楽しもうと思う。 節子さんの素敵な人生に、山の中から乾杯しよう。

きっと節子さんへの何よりのプレゼントは、私が幸せに暮らしていることなんだろうな。 節子さんのためにも、私が良い毎日を送らなくちゃ。 負けていられないな。

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コメント

こんばんわ。
リーボーさんのお母様、素敵ですね。
こんなに素敵な方がいらっしゃると知るだけで、こちらも幸せな気分になれます。幸せの御裾分け、ありがとうございました。
オイラも「幸せ」という言葉を素直に言える人生を歩みたいものです。。

投稿: クッスィ~ | 2008.03.03 21:37

娘の私が言うのも変ですが、母が幸せであると感じていることを素直に私も喜びたいような気持でした。 ああよかったなあ、って。

いろいろな意味合いで、彼女は非常に女性的な人のように見えます。 なぜ彼女を親にして、こんなオジサンが入ったような女性が生まれてきてしまったのか、自分でも不思議で(半笑い)。 もうちょっと女性的な娘だったら彼女も育てやすかっただろうに、と思うと、なんだか今でも申し訳ないような気持ちになります。

投稿: リーボー | 2008.03.04 15:21

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