小女子(こうなご)丼
シラスを乾燥させた「ちりめんじゃこ」の親はイワシ、で、「小女子(こうなご)」の親はイカナゴ。 関西では単に干しただけの「小女子」よりも、甘辛く煮詰めた「釘煮」の方が人気があると聞く。 どちらにしても親が誰であっても美味しいことには変わりなく、新物が出回るこの時期にはついつい買ってしまう。 ビールを飲みながらぽつぽつとそのままつまむのも良いし、大根おろしと盛り合わせても美味しいし、炒めご飯やパスタに入れても良いし、かき揚げに混ぜたりすれば旨みがぐっと増す。
ハイカロリーなことに目を塞げるなら、私が一番好きなのは「バターじゃこごはん」。 あつあつのご飯を茶碗によそって、バターをひとかけ、じゃこを好きなだけ乗せて、黒コショウをガリガリ挽いて、茶碗の中で軽く混ぜながらいただく。 塩味が足りなかったら醤油をちょびっと回しがけ。
ひとり簡単に済ませるのならそれで充分なのだが、家族のお昼ごはんにしたかったので、今回はもっと上品な「小女子丼」に仕立ててみた。 丼の器にごはんを盛って、たっぷりの小女子をご飯の上に散らし、真中に卵の黄身だけをポトンと落とす。 たっぷりの大根おろしを固めに絞って、青紫蘇の葉と共にこちらもご飯の上に。 葉ネギのみじん切りと刻み海苔をこんもり盛って出来上がり。 食べる時に卵の黄身を崩して、醤油を垂らした。
あっさりとした春の味。 どこか遠くの方でおひさまの風味がプラスされている気もして。
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