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2008.04.13

バターケーキ

このバター不足のご時世においては最も贅沢なお菓子を作っていることになるのかな、なんて頭の片隅で思いつつ、力いっぱいバターを掻き立てていた。 砂糖もバターもたっぷりの「重たい焼き菓子」を食べたかったのも事実だが、集中してホイッパーを動かしたり材料の重量を量ったりして、「余分なことを考えない時間」を持ちたかったのもあった。 無心で作業に集中する状態を作りたかったのだ。

別名の「カルトカール」は仏語で「4分の1」の意味。 砂糖・バター・粉・卵が同量なことから由来しているらしい。(実際には微妙に増減するが。) シンプルで失敗の心配もなく、混ぜ終えたら型に流して焼くだけなので、思い立ったらすぐに出来るところも嬉しい。 いちばん小さなパウンドケーキ型で焼くと、スライスして一日に一枚ずつ食べていっても数日分ある。 これがまた、まるで生き物のように毎日味や状態が変化してゆくのも面白いのである。 出来上がった日はフワフワ感が強くて卵の香りが表面に出ているのに、日が経つにつれてガッシリと固まってくる感じになってバターが際立ってくる。 レシピ本によっては「一週間経ってから食べろ」と書いてあったりもするのだけれど、食べたくて焼くんだからそんなには待ちきれないことが多い。 焼いている最中にオーブンから漂ってくる香りで、もう負けてしまっている。 食いしん坊の性。

最近は市販のケーキを買う場合にも、奇をてらう余りにいじりすぎて着地点が分からなくなっているものに懲りて、なるべくシンプルな「素材の香りが感じ取れるもの」を選ぶことが多くなってきた気がする。 「年取ってきたかな・・」というちょっと後ろめたいような気持を、「いやいや、こういうのをシンプル・イズ・ベストと呼ぶんだ」なんて、自分自身に言い訳しているのが可笑しい。 自分で作る分には、わざわざ珍しい材料を取り寄せして作るほどのものではないから、結果的に非常にシンプルでオーソドックスなお菓子になることがほとんどで、まさに結果オーライ。

自分の為にバターケーキを焼いたのは、多分一年振りくらいなのではないかと思う。 いろいろな意味で、作っても食べても楽しかった。 気を良くしたので、今度はカスタードプリンでも焼こうかな。

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コメント

集中したいです。
何かに。

農業をしながら、育児もとなると
なかなかパン作りの時間もとれず、
欲求が不満をしています。

投稿: ねっち | 2008.04.14 08:54

出来ない時に限って、やりたいことが魅力的に見えるのは、まるで当てつけのようで悔しい気持ちになるものですよね。
学生時代の定期テスト前の一週間とかは、まさにそれとの戦いという感じだったのを、思い出しました。
まあ現実として出来ない時には、やりたいことに拘ってしまうとストレスになるでしょうから、自分へのご褒美として取っておいて、それを励みに踏ん張るしかないのかもしれませんなー。

投稿: リーボー | 2008.04.14 15:55

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