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2008.04.02

春らしさ

私が暮らしている場所は海抜300mをオーバーする、言わば「局地的高原」なので、静岡とか伊豆といった単語から一般の人たちが想像するよりも、冬ははるかに寒いし春も遅れてやって来る。 日向斜面のソメイヨシノがやっと8分咲きになったかならないかの咲き具合だ。 ヤマザクラはようやく蕾が膨らみ始めた程度で、まだまだ先の様子。

昨日は義父の受診に付き添い、今日は買い物にと二日続けて山を下り、標高の低いいかにも「伊豆らしい気候」の場所へ出かけた。 あちらこちらの桜はまさに満開。 川沿いの土手や学校の敷地、工場の広い駐車場など、5本も立派な木が咲き誇っていれば「ミニ桜の名所」状態である。 犬の散歩をする人、幼い子供を持つママ同士でお外ランチを楽しむ人、他県からの観光客と思われる初老のグループなど、みなそれぞれの形でのんびりと花と陽射しを楽しんでいて、平和でのどかな光景が広がっていた。 遠巻きに眺めるこちらも、何となく目を細めてほっこりした気分をおすそ分けしてもらった。

春なんだな、と、なんだか他人事のようにぼんやりと思う。

お店の駐車場で、ふと頭の上をかすめたものを感じて上を見回したら、もうツバメが軒先に巣作りを始めた様子だ。 一等地の『軒下でありながら、尚且つ看板の出っ張りの上』は取り合いになっているらしく、「僕が先!」「いやいや、私が。」みたいな声が聞こえてきそうな様子で陣取り合戦が繰り広げられていた。 もうそんな季節になったかと、しみじみ見上げていた。

春らしい光景はたくさん目にしているはずなのに、なんとなく春に乗り遅れているような気がするのは何故だろう。 掴みどころのないちょっとしたギャップが存在しているような気がして、自分で自分に戸惑っている。 そんなに不機嫌な状況ではないし、そこそこ優しい自分ではいるような気がするのだが。 不思議な感覚だ。

逆説的に考えれば、こういったアンニュイな状況を包括的にさして、「春らしい」と呼ぶのかもしれない。 それならそれで納得できるかな。

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