立秋に巻雲
夕方、とっておいたお風呂の残り湯を庭に打ち水する。 今日から暦の上では秋です、と、宣言されても、相変わらずの暑さで地面はカラカラ。 文字通り「焼け石に水」なのだが、それでも、打ち水した場所は風がひんやりする。 水をいじっているだけでも、気持ちの上ではだいぶ涼しい。
蝉時雨の中、ふと空を見上げると、立派な巻雲が長い尾を伸ばしていた。 私の時代は「絹雲」で習ったので、いまだに「巻雲」の文字遣いはピンとこない。 半分透き通るようにひらりと長く広がる雲は、絹の反物を広げた姿にぴったりなんだけどなあ。
まるで暦に合わせたかのように秋の空が見事に演出されていて、何故だか昔の恋のことなぞ思い出しながらしばらくぼんやりと見上げていた。 一瞬のタイムスリップは、現実をデジャヴに変える。 耳元で蚊の羽音がして、はっと我に返った立秋の夕暮れ。
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コメント
リーボー様、コメントありがとうございます。
札幌の私の住む近所では今年はセミの鳴き声はほとんど聞こえませんでした。
蝉時雨はもう何年も聴いていないようです。
投稿: 札幌生活管理人NAO | 2008.09.05 18:18
札幌生活管理人NAOさん、いらっしゃいませ。
えっ、そうなんですか、うーむ・・。
都市部のいたるところで「今年はセミが少ない」というのは聞いていましたが、ほとんど聞こえないとなると、それはそれで寂しいですね。
季節を象徴する要素が減ってしまうと、なんだかひしひしと不安が募るなあ。
●こんな感じでゆる~くやっておりますので、また気軽においでくださいね。 お待ちしています。
投稿: リーボー | 2008.09.05 20:46