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2008.09.03

今のうちに

果物を選ぼうと売り場を覗いたら、中央のワゴンに巨峰がたくさん並べられていた。 よく見れば同じ巨峰でもいろいろな種類がある。 種のあるもの・無いもの、驚くほど大粒のもの、房が立派なもの、こじんまりしたもの。 産地もそれぞれのようでパッケージングも違う。 まあ良くぞこんなに巨峰ばかり、と、感心するやら、ちょっと呆れるような気持ちも覚えながら、昔からよくある一般的な種のあるものを選んで、ひとパック籠に入れた。

ショッピング・カートを押してゆくと、売場の壁際の棚にデラウエアを見つけた。 並べられたパックの数も数えるほどしかなく、同じ葡萄でも扱いがずいぶん違う。 今シーズンになって巨峰はもう二度食べているが、デラウエアは食べていないことを思い出した。 たまたまだったのかもしれないけれど、あまり見かけなかったのである。 「これを逃したら本当にシーズンが終わってしまうかもしれないな、それに、巨峰はまだまだこれから食べる機会がありそうだし・・」、と、思い直して、籠の中の巨峰とデラウエアを取り換えた。

子供の頃は葡萄といえばデラウエアが一般的で、たくさん売られていたし、よく食べていた記憶があるのに、時代の流れと共に主役の座が巨峰に移ってしまったようだ。 確かに独特の濃い甘さや食べ応えは優っているように思うが、デラウエアにもデラウエアの美味しさがあり、とりあえずシーズンに一度や二度は食べておきたい。 なんだかこの感じだと、近いうちにデラウエアが売り場から消えてしまうのではないかと心配になってしまう。

そう言えば、今年はプリンスメロンをついに食べることができなかった。 そこそこ探したのだが。 他の種類のメロンは何度も食べたのに、である。 学校給食にまで出されていたあのプリンスメロンも、今の世の中では人気が無いのだろう。 ・・懐かしさも相まって、食べたかったんだけどなあ。 欲求は通販でわざわざ送料を上乗せして「お取り寄せ」するレベルには達していないものの、売り場で見かけたら買うつもりだった。 残念。

今、具体的に思い出せるものではないけれど、きっとこんな風に「昔は普通に食べていたのに、いつの間にか見かけなくなってしまった食品」は、たくさん存在しているのだろうと思う。(数年前にバタークリームのデコレーションケーキを探した時にも結構苦労したっけ。) 売れるもの、お金になるものばかりが残ってゆくのは、経済的には自然な流れで仕方が無いのだろうな、と、理解はしていても、ノスタルジックにちょっぴり寂しい気もする。

食べながら、熟した小さい粒がぽろぽろとこぼれ落ちるのも恒例のように楽しみつつ、デラウエアは懐かしく美味しかった。

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