「食べることの心理学」
本を一冊ご紹介。
「食べることの心理学」 今田純雄編 2005年初版 有斐閣選書
難しい本もたくさん出版している会社だが(学生時代にはココから出版されている本にずいぶん頭を抱えた記憶が。苦笑。)、この本については全く心配が要らない。 タイトルの通り、「食べること」の全般について改めて考えてみようという本である。
専門的には食心理学、食行動科学、食べる行為の人間科学と呼ぶらしい。 どんなテーマが取り上げられているかというと、どうしてお腹が空くのか・どうして満腹になるのか、から始まって、美味しいという感覚は何か、どうして好き嫌いができるのか、ニオイが食べ物に与える影響、子供の偏食にどう付き合うか、ダイエットと肥満、摂食障害に至るまで、とにかく身近なものばかり。 食べることはこれほどまでに人間の生きざまに深く結び付いているのかと、思いを新たにする気持ちだ。 たくさんの具体例や心理学を学ぶ大学生を使った実験結果も含め、分かりやすい的確な言葉で書かれている。 食べることに興味がある方ならきっとどなたでも、面白く読み進められるのではないかと思う。
相変わらず世の中はダイエット流行りで、ネットに繋いでもバナーでダイエット系の広告を見ない日は無いくらいだが、痩せることが良いことなのではなくて、食事をコントロールすることでどんな自分に変わりたいと思っているのか、そしてそれはなぜなのか、そこの所を考えてみることを始めないと、太って痩せてを繰り返した挙句メーカーを儲けさせるだけになってしまう。 そんなのは悔しいじゃないか! その位に「食べること」は「生き様」と密接に結びついてしまっている。 深く頷く部分もあり、核心を突いているだけにちょっと恐ろしくもあり・・。 高価なダイエット用食品を購入する前に、読んでみるのも面白いかもしれない。
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